米国によるウクライナへのクラスター弾供与をめぐる問題

Chia sẻ
(VOVWORLD) -米国防総省は7日、ウクライナに殺傷性の高いクラスター弾を供与すると発表しました。

2022年2月に始まったロシアとウクライナとの軍事衝突以来、クラスター弾の供与は初めてです。これを受け、西側同盟国は民間人に対する被害を懸念し、反対の声を上げています。

クラスター爆弾は1個の母爆弾が爆発し、その中の小型の子爆弾が降り注ぎさまざまな目標物を同時多発で攻撃する無差別殺傷武器です。サッカーコート数十面に相当する数ヘクタールの広い面積を一気に焦土化し「鋼鉄の雨」と呼ばれます。自爆弾のうち不発弾の割合は10~40%で、戦争後数年後まで休眠状態のまま残り突然爆発して子どもなど民間人に被害をもたらす恐れがあり100カ国以上が使用を禁止しました。

7日の記者会見で、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はウクライナへ供与するクラスター弾に関し、不発弾の発生率を2.5%以下にできる種類に絞ると説明しました。そして、ササリバン氏は、ウクライナがロシア国内や人口密集地でクラスター爆弾を使用しないことを書面で確約したと明らかにしました。

これに関し、米民主党のティム・ケイン上院議員とバーバラ・リー下院議員は9日、懸念を表明しました。ケイン氏はFOXニュースの番組でアメリカの供与について、他の国々がクラスター弾を禁止する国際条約を迂回するきっかけになり得ると指摘しました。

一方、イギリスのスナク首相はこの日、「イギリスは『クラスター弾に関する条約(CCM)』に署名した123カ国のひとつで、この条約を守り続けると決心した」と明らかにしながら、アメリカのクラスター爆弾提供に否定的な立場を明確にした。

スペインのロブレス国防相も「スペインは特定の武器と爆弾をウクライナに送ることができないという確固とした約束(CCM)を持っている」と話しました。カナダ政府は声明を出し、「カナダはCCM条約を完全に順守しており、クラスター爆弾の使用に反対する。数年間不発のまま放置されている爆弾が特に子どもたちに及ぼす潜在的影響に対し懸念する」と明らかにしました。

ロシア外務省のザハロワ情報局長は8日、バイデン米政権によるウクライナへのクラスター弾供与決定について声明を発表し、クラスター弾が不発弾となり、紛争収束後にも爆発を引き起こす恐れがあるとして、アメリカが「ロシアとウクライナの子どもを含めた犠牲者への責任を負う」と批判しました。供与が「米国とその衛星国が紛争にさらに深く関与することを意味する」と指摘し、自国の軍事作戦には「影響を与えない」と強調しました。

クラスター弾を巡っては、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、ロシア軍とウクライナ軍の双方が昨年、クラスター弾を使用して民間人の死者を出したと指摘しました。アメリカの供与に反対しています。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は7日、あらためてクラスター弾の使用中止を求める声明を出しました。

広告を取

ご感想