Ｃ３Ｓによりますと、今年の平均気温は産業革命前に比べて約１．４度上昇することが確実になりました。国際ルール「パリ協定」は、産業革命前からの気温上昇を１．５度に抑えることを目標に掲げています。昨年までの上昇幅は１．２度前後でした。

世界の平均気温は６月以降、各月の史上最高記録を更新し続け、１１月は産業革命前の水準を約１．７５度も上回りました。同月は上昇幅が２度を超えた日も２回観測され、専門家らが懸念を強めているとしています。

気候変動問題をめぐっては、ＵＡＥアラブ首長国連邦のドバイで、国連気候変動枠組み条約第２８回締約国会議（ＣＯＰ２８）が開催されています。

専門家らによりますと、今年は太平洋赤道域東部の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」と人為的な要因による気候変動が重なった結果、異常な高温が続いたとみられています。各地で厳しい熱波や海水温の記録的な上昇が観測されました。特にこの秋の北半球の気温は、世界の観測記録を大幅に更新しました。

世界気象機関（ＷＭＯ）が５日に出した別の報告書では、１０年ごとの世界の気温と海水温が２０１１～２０年に史上最高となり、氷河の消失や海面上昇が急激に加速したことが指摘されています。

Ｃ３Ｓのブオンテンポ所長は、温室効果ガスの濃度が上がり続ける限り、この傾向は変わらないだろうと指摘しました。「気温は上がり続け、熱波や干ばつの影響は拡大し続ける」との見通しを示しました。