ロー・ティ・ソンさん

（現場の音）民謡の歌

ライチャウ省タムドゥオン県バンホン村に暮らすルー族のベテラン職人ロー・ティ・ソンさんは今年70歳ですが、長年にわたり心を込めて伝統文化を教える教室を開いています。ソンさんの指導の下、昔から伝わる踊りや民謡を上手く披露できるようになった若者が多くいます。ソンさんの話です。

（テープ）

「畑仕事などをする時、自分で作った民謡も教えています。子どもが民謡を歌え、踊りを踊れるようになるまで教えます。現在、民謡と踊りがよくできるようになった若者はたくさんいます。私は年を取ったものの、歌や踊りに関する地元の運動によく参加しています。とても楽しいからです」

ルー族は、栽培、および小規模な家畜や家禽の飼育で生計を立てています。農閑期などに、ルー族の女性がよく集まり、刺繍をしたり布を織ったりしています。ほとんどの家族は織機、および紡績と織りの道具を持っています。ルー族の女性は結婚する前に、家族全員の服を作るために刺繍と織りをマスターしなければなりません。ルー族の織物の種類は様々で、ドレス、スカーフ、バッグなどがあります。

ルー族の伝統文化の特徴の1つは衣装です。ルー族の民族衣装は非常にユニークで、女性の巧みな手際によって非常に美しい模様が施されます。日常生活で、ルー族の女性は農作業などに便利なように、シンプルな刺繍が施される藍色のドレスを着ますが、お正月やお祭り、そして来客の際には、上半身は菱形の模様が施され、下半身は黒藍の生地で、裾には多くの色の刺繍が施された2層のドレスを着ます。

民族衣装を着ているルー族の人たち

ルー族の伝統文化の保存を目指すライチャウ省の観光開発プロジェクトに関する2021年の決議を実施するため、タムドゥオン県バンホン村は有形文化的価値と無形文化的価値を保存するための措置を講じてきました。そのおかげで、昨年バンホン村は国内外から3万人以上の観光客を迎えました。バンホン村党委員会のタオ・バン・イン副委員長は次のように語りました。

（テープ）

「村は引き続き、ルー族の伝統文化の保存に対する村人の意識と責任を高めています。我々は、伝統文化の保存と開発に基づく健全な文化的環境づくりと経済発展を両立させるために取り組んでいます。ル族の文化的価値の保存と開発においては村の職人、長老、有力者、人格者の役割を促進する方針です」

ライチャウ省は、ルー族の伝統文化を地元の宝物と見なしており、ルー族の多くの伝統的な祭りや儀式の修復を支援してきました。ライチャウ省文化スポーツ観光局のトラン・マン・フン副局長は次のように述べました。

（テープ） 

「現在、ルー族の祭りは、省の予算を受けて修復・維持されるべきのリストに入っています。また、ル族の衣装やいくつかの伝統工芸、そして言葉や文字も保存の対象となっています。そして、民間芸能クラブやグループへの補助政策も実施しています。さらに、省はベテラン職人などを顕彰したり、彼らの役割を高めたりしています」

（現場の音）

バンホン村におけるルー族の文化的アイデンティティの保存と開発は、地元の観光開発の促進と人々の物心両面での生活の向上に貢献しています。これは、伝統文化の保存と開発事業に対する地元の人々の認識を高め、この事業における彼らの積極的な参加を奨励していると言えるでしょう。