ザンさん(中央) |
西北大学農林学科科長のブ・クアン・ザン博士は西北部山間部ソンラ省の農民たちから「農民の科学者」の愛称で呼ばれています。というのは、彼が実施した複数の科学研究成果は、実践に効果的に活用されてきたからです。ザン博士は、32年間にわたって西北大学に勤務し、講義を行うかたわら、農業開発のために、気候や土壌の研究、分析に夢中になりました。これまでに、彼は、16件の科学研究を行いました。ザン博士は次のように明らかにしました。
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「私たちは、農民とともに歩み、彼らに植物の栽培技術や、手入れ方法、害虫対策などを後押ししています。これにより、植物の品質が高まり、農産物の収穫量も増加しました」
2010年∼2012年まで、ザン博士は、ソンラ省科学技術局と中央青果研究院の後押しを受けて、マイソン県ナボー村にある5000平方メートルの土地で果肉の赤いドラゴンフルーツを試験的に栽培し、成功しました。その後、地元の農民たちは、ザン博士の教えをうけ、果肉の赤いドラゴンフルーツの栽培技術を350ヘクタールの土地に活かしてきました。
果肉の赤いドラゴンフルーツ |
ザン博士は次のように語りました。
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「1ヘクタールの土地で栽培される果肉の赤いドラゴンフルーツの収穫量はとても多いです。それに加えて、季節外れのドラゴンフルーツも栽培できます。現在、ソンラ省で栽培される果肉の赤いドラゴンフルーツは他の地方のドラゴンフルーツと競争できるものになっていますよ」
ソンラ省におけるVietGAP=ベトナム安全農産物生産基準に沿って栽培される果肉の赤いドラゴンフルーツには独特の香りと甘味があり、欧州諸国や、アラブ首長国連邦、ロシア、イタリアなどに輸出されています。果肉の赤いドラゴンフルーツの栽培農民の話をお聴きください。
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「果肉の赤いドラゴンフルーツは、経済的に高い価値をもたらした植物です。育て方と手入れも簡単です。1年におよそ25回も収穫できます」
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「果肉の赤いドラゴンフルーツは収穫量がとても多い果物です。2500平方メートルの土地で果肉の赤いドラゴンフルーツを栽培して、毎年、約20トンを収穫します」
他方、ザン博士は、マンゴー、コーヒー豆などの害虫対策についても研究しました。これらの研究成果は、ソンラ省で栽培されるマンゴー、コーヒー豆の品質向上に貢献しています。
ザン博士の取り組みについて西北大学副学長のドー・ホン・ドウック博士は次のように明らかにしました。
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「ザン博士の研究成果は、地元の農業生産活動に繋がっており、植物生産性の向上、病害虫の発生リスクの低減などに貢献しています。科学研究事業における彼は、他の教師と学生にとってお手本であり、牽引役をつとめる人でもあります」
ザン博士が科長を務めている西北大学・農林学科の教師と学生は、毎年およそ20件の研究を行っています。その中の多くの優れた研究成果は国内コンクールに参加し、受賞しました。