ハンさん |
植物の組織培養とは、植物体の器官や組織、細胞を分離して、最適な培養環境条件の下で、無菌的に培養して、植物体として完全な機能を持つ個体を再生させる技術ということです。近年、ドンタップ省では、植物の組織培養は盛んになっています。
そのため、植物の組織培養は樹木についても組織培養を用いて、少量の組織から効率的に苗木を大量生産する技術となっています。ハンさんは次のように語っています。
(テープ)
「自然条件や、土壌、手入れ技術のほか、高品質の種子は、農産物の品質を左右しますが、何度も繁殖過程を繰り返した、あるいは交雑、受粉をされた樹木は退化して本来の特徴を失うことがあります。そのため、私は組織培養法を導入し、植物の優れた特性を復元するとともに、病害虫に対し強く健康な苗木を生産しています。このような苗木は、外的環境に対応できると同時に、すみやかに成長することができます」
ハンさんは、自らの知識を活用して、地元の農民に高品質の種子を提供できるように、組織培養による苗木生産施設を成立しました。この施設が研究した最初の植物はバナナです。バナナは他の植物よりも繁殖が容易で、成功率は最大 80% に達します。これまでに、ハンさんたちは、組織培養の方法によってバナナの苗木を生産し、全国各地に出荷するようになっています。バナナの苗木は若返って成長し、健康に発育、収穫量と品質も高く、元の品種のすべての優良さを備えています。
ハンさんはまた、次のように語っています。
(テープ)
「現在、組織培養室は、1カ月当たり平均およそ3万本の苗木を生産できます。2021年に、8万本の苗木各種を生産しましたよ。今年中には、約20万本のバナナと観賞用植物の苗木を生産する予定です」
ハンさんの施設は組織培養によるバナナの苗木生産に成功した後、中部と南部各省にパイナップルの苗木を出荷しています。組織培養で生産されたこのパイナップルは、真菌、細菌など病原体を完全に除去しているため、品質が高く、病害虫に強く、健康なものであると評価されています。
ハンさんはさらに次のように明らかにしました。
(テープ)
「以前から、主にバナナの苗木を生産し、東南部各省に出荷しました。現在は、さらに大量のパイナップルの苗木を生産し、西部各省に出荷しています。同時に、生姜、タロイモの組織培養の研究にも成功しました。これらの苗木は、南部メコンデルタ、中部高原地帯テイグエン地方に出荷される予定です」
ハンさんの努力と熱意は、農民に質の高い植物の種子を提供するだけでなく、持続可能なクリーン農業生産に貢献しています。