2024年夏、子ども向け舞台が大盛況:新作が続々登場

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(VOVWORLD) - 2024年の夏、子ども向け舞台が活況を呈しています。例年1〜2作品程度だった公演数が大幅に増加し、新作が続々と登場しています。多くの公演は魅力的で芸術性が高いだけでなく、教育的価値も兼ね備えており、子どもたちに楽しい夏の思い出を提供すると期待されています。これは、舞台制作者たちが子どもの精神的成長により注目していることの表れと言えるでしょう。
2024年夏、子ども向け舞台が大盛況:新作が続々登場 - ảnh 1「裸の王様」公演

(現場の音)

ハノイでは、ベトナム国立劇場が「不思議な旅」と題した子ども向け特別公演シリーズを開催しています。「裸の王様」、「龍神(りゅうじん)の帰還」、「スーパーヒーローギャング」の3作品が上演され、特筆すべきは初めて海外のアーティストを招いたことです。日本人ディレクターの宗重博之氏が監督した「裸の王様」は、アンデルセン童話を原作に、ユーモアを交えながら教訓を巧みに織り込んだ作品となっています。

ベトナム国立劇場のスアン・バック館長は、「海外のディレクターを招いたのは、これまでとは異なる新しい視点やアプローチをもたらすため」と説明し、次のように語りました。

(テープ)

「アンデルセン童話は世界中の多くの子どもたちに愛されてきました。私たちは日本人のディレクター、宗重博之氏を招き、約2か月かけて演目の指導をしてもらいました。ダンス、パントマイム、音楽、照明を取り入れた演出で、子どもたちがストーリーに溶け込みやすくなっています」

2024年夏、子ども向け舞台が大盛況:新作が続々登場 - ảnh 2ベトナム国立劇場のスアン・バック館長

また、「龍神の帰還」という日本の人気漫画「ドラゴンボール」を舞台化した特別版も制作されました。

(現場の音)

ハノイ市内のユース劇場も、「愛の夏」プロジェクトとして多様な公演を披露しています。新作ミュージカル「エルサの宴会」も初演され、好評を博しています。ベトナムユース劇場の音楽プロデューサーのレ・アイン・トゥイェット氏は次のように語っています。

(テープ)

「子どもたちは音楽付きの物語が大好き。ミュージカルは、明確なストーリーと教訓に加え、歌やダンスで子どもたちに喜びを与えられます。ユーモアに富んだ教育的価値の高い物語が、舞台上の歌やダンス、演技の場面に巧みに組み込まれています。ミュージカルが子どもたちの創造性や好奇心を刺激し、一人一人が夢を持てるようになることを願っています」

ベトナムサーカス連盟は日本のアーティストと共同で魔術サーカスプログラムを開催しています。日本の魔術師による忍者伝説に基づいたパフォーマンスと、ベトナムのアーティストによる迫力あるサーカス演目が融合した公演が行われています。

また、ベトナム国立サーカス団は「幼い頃の夢」と題したサーカス公演を制作・上演しています。「童年の思い出」、「熾烈な戦い」、「未来の光」の3つのシーンから構成されるこの公演はサーカス芸術の独自の言語と特性を用いて、勇気と団結力を称え、困難を乗り越え、正義と人々を守る精神を高揚させる内容となっています。

(現場の音)

ホーチミン市でも、各劇場で子ども向けの活気ある公演が行われています。特に注目を集めているのは、セン・ベト劇場の南部民謡ミュージカル「金の六文字を刺繍した旗」です。この作品は、民族の歴史や南部の伝統文化を子どもたちに教える教育的な側面が高く評価されています。

また、ホンハック劇団の「わたしの小さな天使」、IDECAF劇場の「シンドバッドの冒険」、サンカウノー劇場の「野生動物救助ステーション」など、これまで保護者から高い評価を得てきた作品が上演されています。特に、「野生動物救助ステーション」は、森の動物を保護するメッセージだけでなく、友情や自然への愛、困難を乗り越える助け合いの物語も含んでいます。サンカウノー劇場のミー・ウイエン館長は次のように語っています。

(テープ) 

「これまでの子ども向け公演は、保護者や子どもたちに多くの印象を残してきました。保護者の方々は、単純ながらも教育的意義の深い物語が好きで、子どもたちにこうした作品を見せられて幸せだと言っていました。私たちはこれらの成功を受け継ぎ、子どものためにさらに努力していきます。」

しかし、子ども向け舞台の活況とともに、課題も浮き彫りになっています。ベトナム国立劇場のスアン・バック館長によりますと、子ども向けの質の高い脚本が不足しているとのことです。子ども向けの劇は、エンターテイメント性と芸術性を両立させつつ、教育的要素も含める必要があるため、制作が難しいのが現状です。

この課題に対応するため、ベトナム舞台芸術家協会は初の全国子ども向け舞台フェスティバルを開催しました。14の芸術団体が参加し、17の作品が上演されました。このフェスティバルが、今後の子ども向け舞台作品の創作を促進する契機となることが期待されています。

今夏の公演作品は、ユーモアを交えながら団結心やチームワーク、困難を乗り越える精神などの教訓を織り込んでいます。家族の絆を称え、創造性や想像力を刺激する内容となっていますが、子ども向け舞台が確固たる地位を築くには、長期的な取り組みが必要だと指摘されています。

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