身元不明戦没者とその親族のDNAバンクを立ち上げる式典 |
近年、戦没者の遺骨の身元特定は、党と国家が特に重視し、優先的に取り組んでいる課題です。特にDNA鑑定法は、情報が不足し従来の方法では身元特定できない遺骨にとって核心的な方法とされています。これまでに約1万件の戦没者遺骨サンプルと3000件以上の親族の生体サンプルが分析され、1000人以上の戦没者の身元が特定され、親族に通知されました。
北部タイビン省のファン・ミン・ナムさんとタインホア省のファム・ヴァン・フオックさんの家族は、約50年ぶりに彼らの身元が特定され、故郷に埋葬されたという喜ばしいニュースを受け取りました。
ファン・ミン・ナムさんの弟は次のように語りました。
(テープ)
「約50年ぶりに兄を故郷に連れ帰ることができました。両親が生きていた頃から、兄の情報があるたびに探し続けてきました。今は両親も亡くなりましたが、私たち兄弟で兄を連れ帰ることができ、家族の願いが叶ったのです」
また、ファム・ヴァン・フオックさんの親族は次のように述べました。
(テープ)
「亡くなる前、両親は兄を探すよう言い残しました。何年もの間、家族で苦労して探してきました。今日、ついに兄を取り戻すことができました」
このような喜びの声は、まだ親族の身元が特定されていない多くの戦没者家族に希望をもたらしています。
ある戦没者の娘は次のように語りました。
(テープ)
「父は1970年10月26日に東ラオスで戦死しましたが、今日まで墓の場所がわかりません。家族は20年間探し続けていますが、まだ見つかっていません。私はいつも希望を持ち、どうにかして父を連れ帰ろうと努力しています」
南西部国境保衛戦に参加した元兵士も思いを語りました。
(テープ)
「1977年末の戦闘で、我が部隊から10人が戦死し、1人の同志がテイニン省で戦死しましたが、まだ墓が見つかっていません。我々戦友は非常に心苦しく思い、南部の仲間に全ての墓地を探してもらいましたが見つかりません。特に家族、妻、子どもたちは愛する人を見つけたいという思いに苦しんでいます」
ダオ・ゴック・ズン大臣 |
こうした思いは、関係機関が戦没者の遺骨の捜索・収集活動と身元特定を継続して実施する動機となっています。労働傷病軍人社会事業省のダオ・ゴック・ズン大臣は次のように述べました。
(テープ)
「身元不明の戦没者と約60万人の親族全員のDNAサンプルを採取することは、段階的な鑑定と遺伝子バンクでの保存の基礎となり、情報が不足している戦没者遺骨の身元特定の長い旅への最良の準備となります。これは意義深い取り組みであり、早ければ早いほど良いと考えています。困難な任務ですが、心を込めて行い、英雄や戦没者の名前を取り戻さなければなりません。国民データベースとDNA技術の連携は、多くの家族に再会の希望をもたらし、戦没者の親族の喪失と犠牲の一部を和らげるのに貢献するでしょう」
ベトナム科学技術アカデミー生物工学研究所DNA鑑定センター副所長のチャン・チュン・タイン博士は、DNAバンクが効果を発揮するためには、関連省庁が鑑定設備や施設を補充し、技術を適用し、人材を育成する必要があると指摘しています。また、親族のサンプルと戦没者遺骨のサンプルをできるだけ早く収集し、最良の条件で保存することが重要だと強調しています。
ベトナムには、各抵抗戦争で犠牲となった120万人以上の戦没者がいます。多くの家族や戦友たちは、約18万人の戦没者の遺骨を収集し、全国の墓地にある約30万人の戦没者の情報を特定するという希望を持って、情報の照合を続けています。
情報不足の戦没者遺骨の捜索・収集・身元特定に関する国家指導委員会は、2024年に約1500体の戦没者遺骨の捜索・収集、約2000サンプルの戦没者遺骨のDNA鑑定、関連機関の能力向上などを目標に掲げており、これにより全国の多くの戦没者の身元特定に貢献することを目指しています。