ベトナムの民間企業は、社会的、環境的目標の達成に向けて重要な役割を果たしています。しかし、包括的かつ包摂的で持続可能な開発の推進に向けた民間経済セクターのインパクト投資を促進するためには、ベトナムは、投資と政策改革を継続する必要があるとされています。
インパクト投資とは、財務的な収益を追求しつつ、社会的および環境的なインパクトの創出を目的とする投資行動のことです。これは、持続可能な開発事業に対する民間経済セクターの貢献を推進する為の創造的な方式の一つとなっています。ベトナムでは、経済的利益を追求する一方、多くの企業が日々、社会と環境にポジティブなインパクトをもたらしたいと考えています。持続可能な開発目標の遂行に対する民間経済セクターの役割が高く評価されています。
現在、ベトナムでは、社会的なインパクトを生み出す「ソーシャルインパクト企業」の数は約2万2000社ありますが、年を追って増加する傾向にあります。その中で、零細企業と中小企業は89%を占めていますが、内72%の企業は50億ベトナムドン、約3018万円以下の年商を得ています。ソーシャルインパクト企業は、農業、水産物、食品加工、スキルトレーニングなどの分野で活躍しています。専門家によりますと、中小企業の事業への支援活動を強化するとともに、女性に焦点を当てたインパクト投資への支援も配慮される必要があると勧告しています。経営コンサルティング活動に携わる株式会社「Vriens & Partners(ヴリアンス&パートナーズ)」社の代表者グエン・ブ・アン・ゴックさんは次のように述べています。
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「女性に焦点を当てたソーシャルインパクト企業に対しては、こうした企業の開発のための政策、メカニズムを適用する必要があります。特に、ジェンダーバイアスや、社会的と心理的障壁に関連する変化を最小限に抑えた上で、女性リーダーによる企業の開発を後押しすることも重要です。そのほか、企業の事業発展に繋がった資本と財源をサポートすることも、企業が安定したキャッシュフローを維持するのに非常に重要な要素です」
ベトナムにおける持続可能な未来に向けたインパクト投資を促進するには、ソーシャルインパクト企業の発展に向けた適切な金融ソリューション、メカニズム、政策は不可欠だとされています。