海洋と海の協力におけるベトナムの新たな節目

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(VOVWORLD) -6月23日から26日にかけて、アメリカ・ニューヨークの国連本部で、SPLOS35=第35回国連海洋法条約締約国会議が開催され、170の締約国が出席しました。今回の会議で、ベトナムの代表が初めて議長に選出されました。
1994年にUNCLOS=国連海洋法条約に加盟して以来、ベトナムがSPLOS議長国を務めるのは今回が初めてです。これは、UNCLOSの普遍的価値を実現しようとするベトナムの努力、および国連の活動への積極的な貢献に対する国際社会からの高い評価を示すものです。
ベトナムは常に1982年UNCLOSを重視
UNCLOSが発効してから30年以上が経過した今でも、同条約は「海と海洋の憲法」として位置づけられており、各国が海洋資源の利用や海上紛争の解決にあたる際の基本的な法的枠組みとなっています。UNCLOSは、海に面した国だけでなく、内陸国を含むすべての国にとって重要な意義を持っています。第35回SPLOS議長を務めるグエン・ミン・ブー外務大臣は、次のように強調しました。
(テープ) 
「UNCLOSの誕生は、各国が享受すべき海域の権利を包括的かつ徹底的に規定するとともに、領海の確定や主権的権利、管轄権の行使に関する法的基盤を提供しました。また、同条約には強制的な紛争解決メカニズムも定められており、条約の解釈や適用に関する国家間の対立を平和的に解決する手段が確保されています。」
これまでベトナムは、UNCLOSを基盤として海洋協力を推進しており、隣接国との間で海域の境界画定に関して、多くの成果を上げてきました。ベトナム海上警察司令部のハー・トゥアン・アイン中佐は、次のように述べました。
(テープ) 
「UNCLOSの規定、そしてベトナムの憲法や法律に基づき、ベトナムと周辺国との間で海域境界の交渉が進められ、平和で安定した関係構築に寄与しています。未だ境界が確定していない重複海域においても、ベトナムは他国の主権的権利と管轄権を尊重し、長期的・根本的な解決策を見出すための交渉を継続しています。ベトナムは海域の安定と平和的環境の構築を常に支持しています。」
海洋と海の協力におけるベトナムの新たな節目 - ảnh 1会議の様子

 UNCLOS効果的な履行、海洋の保護と持続可能な利用に寄与

海洋と海に関する課題がますます深刻化する中、第35回SPLOS議長国として、ベトナムは引き続き「1982年国連海洋法条約」の価値を強調し、各国が条約の完全性を守るために連携することを呼びかけました。
ベトナムは、海洋の平和・安全・持続可能な発展を確保するため、各国がUNCLOSに基づく義務を誠実に履行することが不可欠であると主張するとともに、ベトナム東部海域(南シナ海)をめぐる問題に関して、関係国がUNCLOSに則って海域を設定し、地域の平和、安定、繁栄、そして持続可能な発展のため、共に取り組むべきであると訴えています。
ベトナム外交学院所属ベトナム東部海域研究院 国際法センター所長のグエン・ティ・ラン・フオン博士は、次のように述べました。
(テープ)
「沿岸国は、自国の海洋権益を主張する際に法律を活用していますが、国際条約、特にUNCLOSの条文を誠実に解釈・適用しなければなりません。これは極めて重要な国際合意であり、各国が選択的に解釈することは許されません。」
ベトナムのグエン・ミン・ブー議長の主催のもと、SPLOS第35回会議は、成功裡に行われました。会議は、協力と建設的な精神に基づいた多国間主義の重要性を改めて確認するとともに、UNCLOS 1982が海洋秩序の維持と海洋資源の保護・持続的利用において果たす役割と有効性を再確認する場となりました。
今回、ベトナムがUNCLOSの実施に関する最も重要な年次会議であるSPLOSの議長国を初めて務めたことは、条約の履行と海洋ガバナンスの推進に向けた努力に対するベトナムの貢献における新たな節目となりました。

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