現地時間の9月23日、アメリカ・ニュヨークの国連本部で、「共にあることで、より良くなれる：平和、開発、人権のための80年とこれから」」をテーマとした第80回国連総会ハイレベル一般討論が行われ、ベトナムのルオン・クオン国家主席、および国連加盟国の約150人の元首、高級代表、そして国際組織の指導者が出席しました。討論演説で、ルオン・クオン国家主席は平和な世界の構築におけるベトナムの責任に関するメッセージを伝えるとともに、持続可能な未来を築くために国際社会が協力するよう呼びかけました。

平和の価値を尊重することが、一貫したメッセージ

ルオン・クオン国家主席

ルオン・クオン国家主席は過去80年間、国連が人権、民族独立、平等、民主主義、社会進歩といった普遍的価値に基づいた平和、協力、発展のための人類共通の願いを常に体現してきたと確認しました。しかし、現在の世界が、紛争、地域戦争、軍拡競争、武力行使、武力による威嚇、大国間の戦略的競争、一国主義、そして政治的コミットメントと資源の著しい減少など、かつてないほど厳しい課題に直面している指摘した上で、国際社会に対し、国連を中心とする多国間主義と国際法に基づく国際システムの尊重を呼びかけました。

（テープ）
「平和は、安定的で公平、民主的、かつ繁栄した未来を築くための目標であり、不可欠な前提条件となっています。まず、私たちは言葉だけでなく具体的な行動によって、平和の価値を称える必要があります。すべての国は、国際法と国連憲章を遵守し、主権と領土保全を尊重し、内政に干渉せず、武力行使や武力による威嚇をせず、紛争を平和的手段で解決する責任を明確にしなければなりません」

ベトナムは最近の平和と和解に向けた努力を支持し、停戦とすべての暴力行為の停止、民間人の保護、紛争地域での人道支援へのアクセス確保を呼びかけています。ルオン・クオン国家主席は、平和、協力、発展を確保する上での地域組織の役割をさらに促進する必要があると述べ、アジア太平洋地域におけるASEANの中心的な役割、特に国際法と1982年の国連海洋法条約に則って、ベトナム東部海域、いわゆる南シナ海における平和、安定、安全、航行の自由を維持することの重要性を強調しました。

世界が変動している中で、持続可能な未来を築くために、ルオン・クオン国家主席は次のように強調しました。
（テープ）
「デジタルトランスフォーメーション、およびグリーン変革を基盤とした持続可能な開発モデルを構築する必要があります。各国は、包括的な戦略の策定、研究開発、質の高い人材育成、グリーン技術インフラ開発、特に、技術移転とグリーンファイナンス調達での国際協力の強化を行うことも重要です。我々は、人間を中心に据え、全般的な貧困解消、完全かつ適切な雇用創出、社会的公平性と包摂性を優先事項とすべきです」
ベトナムの願いを断言
国際社会に向けたメッセージの中で、ルオン・クオン国家主席は、戦争の荒廃から立ち直り、貧困で時代後れた低レベル、孤立し禁輸された国から、目覚ましい努力を経て、中所得の開発途上国となり、国際社会に広範に統合されるようになったというベトナムのストーリーを共有しました。前途には多くの課題があるにもかかわらず、ルオン・クオン国家主席は次のように断言しました。
（テープ）
「ベトナムは、ミレニアム開発目標を早期に達成してきました。今なお、国際公約の履行に努め、2つの戦略的目標の達成に取り組んでいます。それらは、2030年までに近代的工業を持つ高位中所得国になること、もう一つは、2045年までに高所得の先進国になることです。ベトナムは、国際社会の友人、信頼できるパートナー、そして責任ある一員として、すべての国々と協力し、共通の責任を分かち合い、課題を乗り越え、力強い変革を推進してゆきます。これにより、平和で安定し、繁栄し、持続可能な世界を築き、すべての人々に幸福と豊かさをもたらすことを固く約束します」

この半世紀近くにわたり、ベトナムと国連との協力関係は、様々な側面やレベルで飛躍的な発展を遂げてきました。ベトナムは、国連の活動において常に主導的な役割を果たし、積極的に貢献するとともに、国連の核心的価値観を深く共有してきました。

国連との協力は、ベトナムの党と国家の外交路線・政策において常に重要な位置を占めており、平和、独立、民主主義、協力、発展のために世界の人々と共に努力するというベトナム国民の意志と願望を反映しています。これはまた、今後の道のりにおけるベトナムの決意と決意表明でもあるということです。