グエン・フウ・タイ大佐（写真：Lê Hạnh/VOV）

「ベトナムの兵士」という名の歌を耳にするたび、国防省軍事訓練局副局長のグエン・フウ・タイ大佐は感動します。歌の力強く、断固たる響きは、大佐を砲煙、弾雨立ち込める戦場へと連れ戻すようです。それは、ベトナム軍の力を示し、難攻不落とされた敵の拠点を打ち破り、地球を震撼させたディエンビエンフー作戦の勝利の幕開けとなり、ナヴァール計画を粉砕し、世界平和運動に貢献したヒムラムの戦いでした。

ヒムラムにある敵陣に大砲が命中した時、タイ大佐と戦友たちは、もはや秘密にする必要はないと悟り、歓声を上げながら戦場へ進みました。塹壕の一角では、第1軍管区の芸術団が歌「ベトナムの兵士」を演奏していました。それは、1954年のディエンビエンフー作戦に参加した全ての兵士にとって、忘れられない歴史的な瞬間でした。タイ大佐は次のように明らかにしました。

（テープ）

「我が軍は叫び声を上げながら戦場へ走り出し、歌を口ずさみ、その雰囲気はまさに雄壮そのものでした。そして、ベトナム軍において、砲声、兵士の歓声、それに歌声が入り混じるという唯一の戦闘でした」

ベトナム軍が1954年3月13日午後、ディエンビエンフー作戦の幕開けとしてヒムラム拠点を奪取に向けて突撃（写真：TTXVN）

タイ大佐は北部港湾都市ハイフォン市で生まれ育ちました。今なお、彼は、1953年12月15日、500キロメートル以上離れたディエンビエンフーへ、数えきれないほどの困難と苦難を伴いながら部隊と共に行軍した日のことを、よく覚えています。

D1丘で一ヶ月以上を過ごしたタイ大佐と兵士たちは、主に握り飯、ごま塩、そして濃縮された魚醤である「マムデン」だけで生き延び、野菜は全くありませんでした。衛生状態も劣悪でした。その過酷な戦いは、人間の忍耐力を超えるかのように思われましたが、兵士たちの意志と勝利への決意を挫くことはできませんでした。鍬とシャベルだけで、兵士たちは200キロメートルの塹壕を掘り、敵の重要な拠点に接近しました。

タイ大佐は次のように述べています。

（テープ）

「我々は他の部隊と共に非常に決意を持って戦い、D1丘では手榴弾と銃剣による白兵戦を何度も行わなければなりませんでした。それは、陣地を死守するための非常に決死的な戦いでした。多くの指揮官、戦友が亡くなり、多くの人がこの歴史的な地に永遠に眠っています。ですから、彼らのことを思い出すたびに、とても胸が痛みます」

約1世紀にわたる生と戦いを経て、タイ大佐にとって最も幸福で誇らしいことは、ベトナム人民軍の最も傑出した総司令官であるボー・グエン・ザップ大将の指揮の下で戦ったことです。ディエンビエンフー作戦において、この元兵士にとって最も深い印象を残したのは、ボー・グエン・ザップ大将が作戦方針を「速戦即決」から「堅実に戦い、着実に進む」へと変更した歴史的な瞬間でした。それは作戦の偉大な勝利を導いた、極めて重要な転換点となる決断でした。嵐のような猛攻により、ベトナム軍はド・カストリ将軍を生け捕り、「五大陸を揺るがし、地球を震撼させた」ディエンビエンフー作戦を成し遂げました。

（テープ）

「ド・カストリ捕獲の知らせを受けた時、連隊司令部は歓喜に沸き、抱き合い、涙を流しました。多くの兵士が塹壕から飛び出し、勝利を祝って空に向かって発砲し、他の部隊も同様でした。喜びに満ちた雰囲気、任務の完了、待ち望んだ勝利の日がついに来たのです」

タイ大佐と同様に、彼と共に戦った戦友たちも、激戦の時代を思い起こし、感慨にふけっていました。ディエンビエンフー作戦に参加した兵士であるファム・タン氏とチュオン・シー・チー氏は次のように明らかにしました。

（テープ）

「我々は爆薬筒を塹壕に沿ってA1丘まで運び上げ、10人が犠牲になったら、必ず10人が後を引き継ぎました。私の小隊は11人で進撃しましたが、9人が戦死しました。このA1丘では、今日のために何百、何千もの我が兵士が犠牲になったのです」

（テープ）

「信じられないことでしたが、当時、午後3時頃、白旗がちらほら見え始め、A1丘からムオンタインまで、午後5時頃には白旗が掲げられました。非常に感激し、興奮しました。その時の気持ちは言葉では言い表せません。何日も何晩も激しい戦闘が続き、ついに解放されたのです」

70年以上の時が流れましたが、タイ大佐と戦友であるディエンビエンフーの元兵士たちの記憶には、困難でありながらも輝かしい戦いの光景が鮮明に残っているようです。彼らは「地球を震撼させた」勝利を成し遂げ、北部を社会主義へ移行させ、南部解放と国家統一のための強固な後方支援となる重要な基盤を築きました。