ブラジルのルーラ・ダシルバ大統領とドミニカのルイス・アビナデル大統領の招きに応え、ファム・ミン・チン首相率いるベトナム高級代表団は、ブラジルのリオデジャネイロ市で11月16日から19日にかけて開かれるG20=20カ国・地域サミットに出席し、19日から21日にかけてドミニカを公式訪問します。
チン首相がG20サミットに出席するのはこれが初めてです。これは、国際社会におけるベトナムの役割と地位が日増しに高まっていることを裏付けるものだけでなく、ベトナムとG20加盟国との貿易、投資などの分野における協力の促進に有利な条件を作り出すチャンスともなります。
「公正な世界と持続可能な地球の構築」をテーマとした今回のG20 サミットにはG20加盟諸国のほか、19か国からの国賓、および15の国際諸組織の代表が参加します。
グローバルな試練の解決に対するベトナムの責任ある貢献
ファム・タイン・ビン外務副大臣によりますと、チン首相が今回のG20 サミットに出席することは世界的な課題の解決に対するベトナムの責任ある貢献を裏付けるものです。 G20サミットでチン首相は国賓として、18日と19日の両日、開かれる2つの会合で「貧困との闘い」と「持続可能な開発とエネルギーへの転換」という2つの重要なテーマについて講演します。チン首相は、ベトナムが大きな成果を上げ、世界各国により高く評価された分野である貧困解消に関する経験と教訓を共有するとともに、ベトナムの持続可能な開発とエネルギー転換戦略を紹介する予定です。これはベトナムが世界の差し迫った課題の解決に貢献するチャンスであるとしています。この機に、チン首相はG20サミットに参加する各国の指導者と個別会見を行い、ベトナムと各国との協力関係について意見交換を行います。
ベトナムとブラジルとの関係拡大
また、チン首相による今回のブラジルへの実務訪問は両国関係を新しい発展段階に押し上げるチャンスとなると期待されています。現在、ブラジルは中南米におけるベトナムの最も大きな貿易相手国であり、南北アメリカ大陸において、アメリカに次いで第2位に立っています。一方、ベトナムはブラジルにとって、ASEAN=東南アジア諸国連合における主要パートナーの一つとなっています。
両国は農業、科学技術、文化、半導体技術、航空宇宙などの分野で協力を積極的に推進しています。特に、文化、芸術、スポーツ、観光、草の根交流の協力も強化され、両国国民の相互理解と友好の深化に貢献しています。グエン・バン・フン文化スポーツ観光大臣は次のように述べました。
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「文化、スポーツ、観光の分野における協力は、文化を経済や政治と同様のレベルに発展させ、ベトナム文化を世界友人に紹介するとともに、世界の文化の真髄を受け入れ、民族色豊かで多様で先進的な文化を構築するというベトナム共産党の方針を示しています」
この機に、チン首相はブラジルのルーラ・ダシルバ大統領と会談を行い、昨年9月に行われたチン首相のブラジル訪問で達成した合意書の実施状況を点検するとともに、両国関係を強化するための措置について意見を交換します。
長年来、G20 はグローバル・ガバナンスにおいて最も重要なメカニズムの 1 つであり、地球規模の課題に対応する国際的な取り組みを指導、形成する上で重要な役割を担っています。チン首相の今回のG20サミットの出席は、国際社会におけるベトナムの立場、責任、貢献を改めて確認するとともに、ベトナムとブラジルとの関係を新しい発展段階に押し上げることでしょう。