北部山間部ソンラ省イエンチャウ県は同省で果樹園の面積が最も大きい県となっています。これらの果樹園で主に栽培されている果物はマンゴー、リュウガン、バナナ、スモモなどです。果物の質の向上、安定した市場を目指して、イエンチャウ県は、VietGAP=ベトナム安全農産物生産基準を導入して有機栽培を行っています。
マンゴーの有機栽培が試験的に行われている(sonla.gov.vn撮影) |
チエンハック農業協同組合は、同村においてマンゴーの有機栽培を試験的に行う初めての協同組合です。
ハ・バン・ソン会長によりますと、現在、協同組合はおよそ25ヘクタールあまりのマンゴーとリュウガン畑を所有し、約15ヘクタールが有機農法を導入していますが、残りはVietGAP基準、適正農業規範に関する国際基準に従って栽培されています。
ソン会長は次のように語りました。
(テープ)
「果樹園は、荒地の緑化への貢献と組合員への収入をもたらしてくれます。有機栽培は、環境に優しく、コミュニティ、とりわけ消費者に安全な食品を供給できるのです。私たちが栽培した果物は、品質と数量が日々向上し、全国の大型スーパーに卸されるかたわら、オーストラリア、アメリカ、中国などにも輸出されています」
ソン会長によりますと、チエンハック農業協同組合は設立当時に、無農薬農産物の栽培という目標を打ち出し、種子、土、肥料の生産地をメモし、栽培から手入れ、収穫に至るまでの工程に先進的科学技術を導入すると同時に、果樹園の土壌改良に有機肥料を使用するとしていました。あれから10年が経ちましたが、有機栽培は、組合員らに高い収入をもたらしてきました。
(写真:baosonla.org.vn) |
チエンハック農業協同組合の組合員であるハ・ティ・ズエンさん一家の1ヘクタールあまりのマンゴー畑は、発酵したトウモロコシ、大豆などを肥料にするという方法で栽培したため、収穫量がいつもより多くなり、今年の収穫量はおよそ10トンと予測されています。また、害虫が発生した場合、細かくきざんだショウガ、ニンニク、唐辛子を水に混ぜて駆除します。
ズエンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「かつて、我が家は一定の栽培方法に基づかず、決められた時間を守らず、自由に肥料やり、農薬散布をしていたので、収穫量は低く、質・量もそこそこでした。農業協同組合に加盟した現在は、技術者から果樹の栽培と手入れの方法などを教えてもらい、果物の品質が向上し、高い価格で販売できるようになりましたよ」
現在、イエンチャウ県には60あまりの農業協同組合が活動しています。その内の45の協同組合は果樹の栽培を行っています。同県の行政当局は、輸出向けの果物の栽培への有機農法の導入を指導しています。
イエンチャウ県人民委員会のレ・フイ・フォン副委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「農家らは主力果物であるマンゴー、リュウガン、スモモをVietGAP基準に従って栽培しており、GlobalGAPの基準を導入するように取り組んでいます。また、果物の輸出先の要求に対応できるように、有機農法、科学技術などを導入しています」
イエンチャウ県は2022年に、6500トンの各種果物を輸出する計画です。この目標を達成するためには、同県は、無農薬果物のPRを強化すると同時に、農家に有機農業の導入を奨励することになっています。