地元で栽培された多くの果物であるリュウガン、スモモ、赤い果肉のドラゴンフルーツ、マンゴー、パッションフルーツなどは、国内の消費者に好まれているうえ、中国やオーストラリア、アメリカ、ニュージーランドなどにも輸出されています。この成果には農業生産への科学技術の応用によるものがあると言われています。
ソンマ県ニャギュウ村フンマイ集落に住むグエン・バン・ラーさん一家は、1.6ヘクタールのリュウガン畑を有しています。以前、彼は、樹冠を拡大しないこと、適切な技術に従って手入れと改良を行なわないことなどの従来からの農法でリュウガンを栽培したため、長年にわたりリュウガンの栽培による収入は改善できませんでした。しかし、2017年に、地元のリュウガン栽培協同組合を参考に、農業指導員から早生のリュウガンの栽培方法を教えてもらい、収入は著しく増加しました。
ラーさんは次のように語りました。
(テープ)
「2019年まで、早生のリュウガンを採取しはじめました。その時の収穫量は5トンであり、従来の方法で栽培されたリュウガンと比べ3~4倍でした」
一方、ムオンブ村に住むロー・バン・トウオンさんは、1.4ヘクタールの土地にナツメ、ジャックフルーツ、マンゴーなどを栽培しましたが、全ては古い品種である上に、従来からの農法で栽培されたので、収穫量は低かったそうです。現在では、12ヘクタールの畑で土づくりから、手入れ、虫除け、果実の袋掛けなどの工程に科学技術を導入し、新しい品種を栽培したことによって、質の高い果物を採取できる一方、収穫量も増えるようになりました。
トウオンさんは次のように語っています。
(テープ)
「依然、古い品種のナツメだけを栽培していたため、品質も、収穫量も、販売価格も低かったのです。後に、科学技術を導入し、新しい品種の果物を栽培したことで、果実は美しく、美味しい上に、高い価格で販売できるようになりました」
ランさんとトウオンさんの家庭は、ソンラ省から技術的支援を受けた数百世帯の内のわずか2世帯に過ぎませんでした。ソンラ省科学技術局のグエン・ズイ・ホアン副局長は、「近年、住民は山の斜面での栽培、農業生産への科学技術の導入などを積極的に実現してきた。現在、ソンラ省で栽培されている24種類の農産物の内11の果樹は、知的財産局から地理的表示、団体商標及び認証マークを付与されている」と明らかにしました。
ホアン副局長は次のように語っています。
(テープ)
「私たちは、気候変動に強い果樹の品種や、質と収穫量の高い品種の栽培に集中する方針です。また、果物の保管、加工に関する技術移転を集中的に研究します。これらは、2025年までのソンラ省の科学技術部門の主要任務です」
ソンラ省は、ベトナム北西部におけるハイテク応用農業開発の中心地になるという目標の達成を目指して、2021年~2025年期に農業構造の再構築を促進し、地元のメリットや潜在力を活用した上で、食品安全に関する国際基準を満たしたハイテク農業生産地区の建設と開発を行っています。