カム・ヴイさん |
カム・ヴイさんは、タイ族の民謡が上手な母と、タイ族の古い文字を教える父という家庭に生まれ育ったため、幼い頃からタイ族の伝統文化に特別な興味を持っていました。そのため、幼いときから民謡を上手に歌ったり、多くの伝統楽器を演奏したりすることができました。
カム・ヴイさんは成人してから、同省のムオンラ県の文化課に勤務し、末端組織で文化活動を担当していました。彼はムオンラ県の各集落を回って、民謡の歌い方や楽器の弾き方を教えたほか、各集落の文芸チームの発足や、伝統芸能のイベントの開催などに力を入れてきました。民謡や楽器、タイ族の古い文字を学びたい人がいれば、彼は常に熱心に教える用意があります。カム・ヴイさんは、タイ族の民謡や楽器は難しくないが、忍耐力が求められると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「誰もが人の心に訴えかけるように歌えるわけではありません。そのため、歌い手は一生懸命練習しなければなりません。また、歌の内容を深く理解する必要があります」
カム・ヴイさんはタイ族の伝統民謡を紹介するとともに、民謡のメロディーをベースに、国や故郷を讃えたり、庶民の生活を反映した歌も作っています。これまで彼が作曲した歌は350を超えており、その中の多くはソンラ省放送局のほか、VOVベトナムの声放送局でも放送されました。人気のある歌も少なくありません。
国から授与されたカム・ヴイさんの表彰状 |
こうしてカム・ヴイさんは、ソンラ省はもちろん、イエンバイ省やトゥエンクアン省、ディエンビエン省などに暮らしているタイ族のコミュニティにおいて有名になりました。特に、彼の歌声と演奏のファンという人が大勢います。ソンラ省ソンラ市フアラ村に暮らすトン・ヴァン・ヒアさんは次のように話しました。
(テープ)
「作曲できる人がいれば、歌える人もいますが、カム・ヴイさんは作曲も、歌も上手です。彼の曲は歌いやすく、覚えやすいですが、その歌詞とメロディーは素晴らしいです。私は彼の歌が大好きです。特に、彼が自分で作曲した歌を歌うのが最高です」
ムオンラ県文化情報課のグエン・ヴァン・サン課長によりますと、現在、同県には若者や高齢者など約300の文芸チームがありますが、そのほとんどが、カム・ヴイさんの支援を受けています。彼はムオンラ県の文芸活動を支える人物であるとしています。サン課長の話です。
(テープ)
「カム・ヴイさんは特別な人です。彼は、タイ族の伝統芸能のほとんどを収集・研究し、作曲・披露することができるのです。また、地元の芸能活動に積極的に参加しています。彼の歌は地元の人々の精神生活に欠かせない存在となっています」
ムオンラ県イットオン町にあるカム・ヴイさんの家は、タイ族の古い文字で書かれた本や、タイ族の伝統芸能に関する本、そして、タイ族の伝統芸能に関する彼の研究書がたくさん並んでおり、小さな図書館のようです。これはカム・ヴイさんにとって貴重な財産で、次世代に伝えなければならない民族の文化です。