コトゥ族のグオイという集会所

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(VOVWORLD) - 少数民族コトゥ族の集落について触れるならば、「グオイ」と呼ばれる集落の集会所を抜きにして語ることはできません。コトゥ族の言葉で「コミュニティ」を意味する「グオイ」は単なる独特な建築物ではなく、コトゥ族の精神面に欠かせない存在です。
コトゥ族のグオイという集会所 - ảnh 1コトゥ族の村の集会所「グオイ」

コトゥ(Co Tu)族はベトナム54の民族の中の一つであり、その人口はおよそ6万2千人です。人口の多くは中部のクァンナム省、トゥアティエンフエ省をまたがるチュオンソン山脈に集中していますが、ダナン市やホーチミン市でも生活しています。

コトゥ族の集落は貧富の差を問わず、必ずグオイがあります。集落を設立するとき、最初にやらなければならないことは、「グオイ」の立地を選ぶことです。「グオイ」は集落のシンボルだからです。「グオイ」をみると、その集落の貧富と威信が分かります。クアンナム省テイザン県ラン村ポルニン集落の村長ブリュ・ポさんは次のように語りました。

(テープ) 

「『グオイ』は、精神面をはじめ、村人の生活に重要な意義をもつものです。『グオイ」の方角は関係ありません。目が遠くに見える方角に入口を配置します。『グオイ』では、多くの動物や形象を彫刻すればするほど、より良いものとなります。好きなものを彫刻してもよいのですが、次の動物は必須です。 1 つは水牛の頭です。コトゥ族の人々が水牛を非常に神聖なものと考えているからです。これは 4 本足の動物です。もうひとつの不可欠な 2本足の動物とは雄鶏で、通常は『グオイ』の屋根の上に置かれています。雄鶏は2 本足の動物の中で最も神聖なものと考えられています。足のない動物に関しては、コトゥ族はよくニシキヘビの彫刻をします。ニシキヘビはとても強くて優しい動物で、ニシキヘビは村人たちにとって教育的なイメージがあるからです。また、コトゥ族の人々は、仮面には悪魔を追い払う効果があると信じており、仮面の彫刻が恐ろしければ恐ろしいほど悪魔は寄りつかないとされているため、仮面は不可欠です」

集会所「グオイ」は集落共通の家で、新米の収穫を祝う祭りや、豊作を祝う祭りなど伝統的な祭りを開催する場所となっています。テイザン県ラン村ポルニン集落に暮らすブホリン・ファットさんは次のように語りました。

(テープ)

「『グオイ』は、祭りを行う場所であり、村人が集落の重要な出来事について話し合う場所でもあります。コミュニティに関する作業はすべて『グオイ』で話し合う必要があります。建築的には、『グオイ』は上から見下ろせば、亀の甲羅のようです。『グオイ』の屋根は、籐の葉、ヤシの葉、ニッパヤシの葉など、自然にちなんだ素材で作られていますが、その建築材料は主に木材です。『グオイ』に施された彫刻は通常野生動物で、これは村人にすべてを守ることの重要性を理解してもらうためです」

コトゥ族のグオイという集会所 - ảnh 2コトゥ族の村の入り口

コトゥ族の考えでは、集会所「グオイ」は神様と先祖の住居なので、神聖な場所です。「グオイ」に来るとき、村人はケンカしてはならず、互いに団結し、助け合わなければなりません。テイザン県に暮らすポルーン・プレンさんは次のように語りました。

(テープ)

「コトゥ族の村に入ると、第一印象は『グオイ』でしょう。『グオイ』は村人を集める場所として村の団結を示します。大小を問わず村の祭りはすべて『グオイ』で行われます。コトゥ族の人々にとって、『グオイ』のない村はコトゥ族の村ではないとされます。」

集会所「グオイ」の中には太陽や月のシンボル、そしてゴングダンスのイメージなどが描かれています。伝統的な「グオイ」の建築のユニークな特徴は、「グオイ」が 1 本の柱でのみ支えられていることです。テイザン県ラン村ポルニン集落の村長ブリュ・ポさんは次のように語りました。

(テープ)

「少数民族の村の集会所は多くの柱で支えられているのが一般的です。その一方、コトゥ族の村の集会所『グオイ』は、1 本の柱でのみ支えられています。『グオイ』の中央に立てられたこの柱は、村人たちがそれを回って踊るためのものです。しかし、最も重要な意味は、村人の団結の象徴を表していることです。コトゥ族の人々は、村人が全員、1本の柱のように一つになって団結すれば、村は決して崩壊したり破壊されたりすることはないと信じています」

集会所「グオイ」はコトゥ族の文化博物館に例えられ、コトゥ族の精神生活において特に重要な役割を果たしています。コトゥ族の人々にとって、「グオイ」は村全体を象徴し、「グオイ」を維持することは村を守ることを意味しています。

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