MC: リスナーの皆さん、ホーチミン主席は、ベトナムの民族解放の英雄でありながら、ベトナム国民の傑出した指導者でもあると知られています。ホーチミン主席の革命事業と生涯は、平和のシンボル、および各民族間の連帯と密接に関っているとしています。1969年にホー主席が逝去する前、貴重な思想的遺産を残しました。その中で、ホー主席の遺書は歴史的意味があるだけでなく、現在の祖国建設防衛事業においても重要な役割を果たしています。
 1965年4月7日、第3期国会第2回会議の開会式で演説したホーチミン主席（写真：TTXVN） |
遺書の中で、ホーチミン主席はベトナム共産党に各民族の大団結の強化に絶え間なく尽力しなければならないとアドバイスしました。国際平和・国際連帯に関するホーチミン主席の思想は、ベトナムの外交路線の行動指針となり、世界の友人たちの心の中に印象深く残っています。
（現場の音）
国際連帯に関するホーチミン主席の思想、時代を超えたビジョン
MC: 国際連帯に関するホーチミン主席の観点は徹底的かつ一貫したものです。団結に関するホーチミン主席の思想は、彼の知性とビジョンを明確に示しています。
 歴史学者ズオン・チュン・クオク氏 |
ホーチミン主席の理念に基づく国際連帯は、無差別・平等・互恵、および相手国の独立・主権・領土保全を尊重するということです。また、『自主、自信、自立、自強、民族自尊心』の精神を最大限に発揮する必要があるとしています。これに対し、歴史学者ズオン・チュン・クオク氏は、次のように述べています。
（テープ）
「国際共産主義運動は多くの試練に直面していました。第二次世界大戦後、世界的に二極化が深刻化している現状が明らかとなりました。当時、ベトナムは国の独立を勝ち取るという非常に重要な目標を掲げました。ホーチミン主席は、自らの柔軟な外交路線により、かつて存在した理想的な共産主義運動を復活しようとする一方、国家統一という目標の達成を目指し、支えを模索しました」
ホーチミン主席によりますと、国際連帯とは、民族の独立を勝ち取るための闘争と国の建設発展事業への外部からのリソースを活用するとともに、民族の力と時代の力を結合して、国の総合的な力を作り出すということです。
（テープ）
「ベトナム革命は世界革命の一部として定められました。ベトナム革命は、旧ソ連と中国をはじめ、世界各国の支援を受けたことで、世界革命による影響を受けていました。これは、ベトナム革命にとって非常に重要な要素であると見られています」
「これまで、外交戦線は大きな役割を果たし、世界各国の進歩的勢力を結集させ、ベトナム国民の民族解放闘争への支持・支援の活用に貢献してきました」
一方でベトナムはほかの国に対して、国際責任の遂行を支持・支援する責任があり、国際連帯による力を生み出すことが狙いです。1989年～1993年期における在ベトナム中国大使館の張德維（チュオン・ドゥク・イ）大使は、次のように語りました。
（テープ）
「ホーチミン主席は連帯に深い関心を寄せている指導者です。彼は、どのように世界のすべての進歩主義者と正義愛好者を連帯させるかを常に願っていました」
（現場の音）
国際連帯に関するホーチミン主席の教え
MC: 55年前の遺書の中で、ホーチミン主席は国際連帯の精神に対する貴重な教えを残しました。ホーチミン主席は、国際連帯の目標について明確な見解を示しました。
著名なベトナム歴史の研究者の一人であるデビッド・マー博士によりますと、『遺書』はホーチミン主席の知恵とビジョンを明確に示した作品です。遺書は、ベトナムの民族解放への取り組みを反映するだけでなく、平和と正義に関するグローバルなビジョンも示しました。
また、革命運動の研究者であるミシェル・デュアメル博士によりますと、ホーチミン主席の遺書は国際連帯運動に深く、幅広い意味合いを持っています。遺書は世界各国に対し、平和建築と持続可能な開発事業で団結と相互支援を強化するよう激励しました。
フランスのアラン・ルシオ歴史学者は次のように見解を述べています。
（テープ）
「ホーチミン主席の革命事業と生涯から生じた最も大きなメッセージは、社会主義諸国や共産党の指導者らは常に国民に優しく扱い、国民の苦しみに関心を寄せるとともに、汚職・浪費・官僚主義・共産主義イデオロギーの劣化との闘いにおいて常にけん引役を果たさなければならないということです。ホーチミン主席は傑出した指導者のシンポルです。そのメッセージの価値は今もなお生きています」
フランスのモントルイユ市の元市長であるジャン・ピエール・ブラール氏は、次のように語りました。
（テープ）
「ホーチミン主席は非常に特別な革命兵士だと思います。ホーチミン主席の心の中に、祖国や人々への厚情、および平和への願いが満ち溢れています」
ロシアのエフゲニー・コベレフ研究者によりますと、ホーチミン主席の思想は国際革命主義の典型的なモデルであり、いずれの場合においても、ベトナム革命は国際革命から切り離すことはできないとしています。ホーチミン主席は、民族解放の英雄です。
MC: ベトナムを研究する多くの外国人専門家は、ベトナム人の精神を理解するためには、まずホーチミン主席のこと、とりわけ、彼の遺書について学ぶ必要があるとの見解を述べています。ベトナム東部海域（いわゆる南シナ海）研究およびベトナム学に携わる韓国人のアン・キョンファン教授は同見解を共有する専門家の一人です。このテーマについて、アン教授はVOV＝ベトナムの声放送局の記者のインタビューに応えました。
 ベトナム東部海域（いわゆる南シナ海）研究およびベトナム学に携わる韓国人のアン・キョンファン教授（写真：hanoimoi.vn） |
記者: 初めてホーチミン主席の遺書に触れた時、一番印象に残ったことは何でしょうか？
（テープ）
「ホーチミン主席のことを理解するためには、彼の遺書をはじめ、いくつかの著作への理解を深める必要があります。この遺書を韓国の人々に理解してもらいたいと思い、遺書の全文を翻訳し、国際学術会議を開催しました。私は、ホーチミン主席が祖国とベトナム国民に厚情を寄せる指導者であり、国家統一を熱望したことを感じました。遺書を読んで最も印象に残ったのは、ホー主席が団結を非常に強調していたことです。ベトナムが発展するためには、国民全体が団結することが大切だと彼は考えていました。党内の団結と国際連帯がその基礎です」
記者:団結精神に関するホーチミン主席の観点は現代的価値を持っているのでしょうか？
（テープ）
「ホーチミン主席にとって、独立と自由ほど尊いものはありません。彼は常にこの精神を広めようと努めました。ホー主席は、ベトナムだけでなく、世界中の抑圧された民族の独立と自由のために戦ってきました。彼は平和主義者・非暴力主張者であり、対話を通じて問題を解決することを望んでいました。この精神が広められれば、世界の平和が維持されるでしょう。また、世界は平和と非暴力のために戦うホー主席の努力を学ぶべきだと思います」
記者: 2015年の国際学術会議でホーチミン主席の遺書を紹介した時、参加者たちの反応はどうでしたか？
（テープ）
「2015年、韓国とベトナムの経済協力関係がかなり発展しましたが、ホーチミン主席のことについて知っている韓国の学者や国民は少数でした。遺書を初めて紹介した時、参加者たちは彼の人格、愛国心、平和愛好への理解を深めることができました。彼の遺書を通じて、韓国の学者や国民はホーチミン主席の偉大な人格を見極めたのです」
記者: ベトナム国民によるホーチミン主席の遺書の実現についてどう思われますか？
（テープ）
「ホーチミン主席の遺書は、ベトナムの発展に多大な貢献をしています。1986年にドイモイ＝刷新政策を開始して以来、ベトナムは数多くの外国人投資家を引き寄せ、強靭で住む価値のある国へと成長しています。将来にも、ホーチミン主席の遺書に従って、ベトナム国民が団結し、国際社会における地位を高め、世界の平和に貢献していくことを私は信じています」
記者: どうもありがとうございました。
国際連帯 ベトナムの地位向上に貢献
MC: ベトナム革命の現実は、国際連帯に関するホーチミン主席の偉大な思想を証明しました。生前、ホーチミン主席はベトナムと中国、旧ソ連などの多くの社会主義国、そしてアジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々との団結の構築、維持、発展に尽力していました。また、国家統一後、ベトナムは独立、自主、全方位、国際関係の多様化という外交政策を効果的に実施し、各国の友人、国際社会の責任あるメンバーとなっています。各国の外交官や専門家、研究者の評価を聞いてください。
（テープ）
「昨年、中国の習近平党総書記・国家主席、アメリカのジョー・バイデン大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が相次いでベトナムを訪問したことは、ベトナムが大国間とのバランスを保っていることを立証しました。これらの指導者がベトナムを訪問したことは、大国がベトナムに関心を持っており、ベトナムが影響力を高め、安定的かつダイナミックな発展を遂げるよう望んでいることを示しました。また、これを通じて、ベトナムは独立した立場を堅持しながら、同盟を結び、他国と戦うことはしないことが分かりました」
「ベトナムは国際社会において特別な地位を占めていると思います。近年、アジア太平洋地域におけるベトナムの役割は著しく向上し、グローバルな問題の解決におけるベトナムの存在感が確認されています。それとともに、ベトナムの発展とあらゆる分野での成功が広く知られるようになっています」
「ASEANの中で最も急成長している経済国であるベトナムは、開発格差の縮小と地域統合の推進においてASEANのリーダーシップを発揮しています。ベトナムは、新型コロナウイルス感染症が大流行していた2020年にASEAN議長国としての任務を成功させ、さらに2024年のASEAN未来フォーラムの開催を通じて、ASEAN共同体ビジョンの実現に向けた継続的な取り組みを示しています」
MC: リスナーの皆さん、国際的な場におけるベトナムの地位向上は、ホーチミン主席の遺書に基づく国際連帯が単なる崇高な理想だけでなく、ベトナムの外交政策と不可分でもあることを示しています。国際連帯は、真実であり、ベトナムの地位と威信の確立、および平和な世界の構築に向けての必然的な行動指針となっていると言えるでしょう。