この決議では、「科学技術、イノベーション、国家デジタルトランスフォーメーション」を、社会経済開発、そして新しい時代に国を豊かで強力に発展させるための最重要な突破口として定められています。テクノロジー企業は積極的にコミットメントを示し、具体的な行動で参画する準備ができています。
政治局は決議57号を発行し、首相が決議に基づく行動計画を発表した直後、ベトナムのテクノロジー共同体で強力な呼応の精神が広がっています。
新たな好機への準備
ベトナム最大のIT企業であるFPTグループは、これまでに半導体分野への投資誘致や、国境を越えた多国籍連携、ベトナムのソフトウェアとデジタルトランスフォーメーションサービスの世界への輸出において、政府と協力し、中核的な役割を果たしてきました。決議57号について、FPTテクノロジーグループのチュオン・ザー・ビン会長兼最高経営責任者は次のように断言しています。
(テープ) BINH
「私たちは決議に盛り込まれた各プログラムに熱心に参加しています。まず、グローバルなデジタルテクノロジー企業となり、2030年までに海外からの売上高を50億ドルに達成することを目指しています。次に、現在、FPTには約1500人の学生が半導体技術分野に専攻していますが、1万人の半導体エンジニア、5万人の人工知能エンジニアを育成し、約50万人のITエンジニアに人工知能のスキルと知識を提供します」
一方、CMCグループのグエン・チュン・チン会長兼最高経営責任者は、ベトナムが地域諸国に先駆けて、イノベーションを促進し、自立的で持続可能なデジタル経済を開発することを目指しています。これまでに、同グループは明確な開発戦略を作成し、準備を整えてきました。例えば、AI技術を搭載したオープンAIエコシステムの開発や、ベトナムだけでなく地域でもトップクラスのクラウドコンピューティングインフラの構築などです。先月、開催された第6回「デジタル企業開発に関する国家フォーラム」で、グエン・チュン・チン氏は次のように強調しました。
(テープ)CHINH
「私たちは、最大のイノベーション研究開発センターを建設する予定です。3年前に土地を購入しましたが、手続きは今だに完了していません。決議57号により、法的手続きが迅速化され、プロジェクトが早期に展開されることを期待しています」
VNPTグループは、2027年までに言語、画像、音声、データの各分野において、ベトナム製の生成AI(GenAI)モデルを主導的に開発することを約束しました。Viettelグループは、2027年までに先進的な5G機器を、2030年までに最初の商用6G機器を開発することを目標としています。さらに、今年中に半導体チップ工場の建設計画を政府に提出し、2030年までにベトナム初の半導体チップ製造工場を設立する基盤を作ります。
テクノロジー企業にとって、決議57号は新風と例えられ、新技術への参加や技術応用の機会を提供し、国内市場をより活性化させ、国際技術市場に深く進出するための強力な国家ブランドを構築することを目指しています。特に、質の高い技術人材を育成するための画期的なメカニズムが設けられています。TMAテクノロジー企業のチャン・フック・ホン副社長は次のように語りました。
(テープ) HONG
「私たちは、企業の費用削減に役立つ画期的な政策や解決策を望んでいます。二つ目は、企業が豊かなリソースを持てるようにすることです。現在、情報技術とデジタル技術の人材は非常に豊富で質が高いです。しかし、半導体や人工知能のような新技術については、依然として大きな不足があります。」
企業が大胆に新しいアイデアと方向性を開拓するための支点
広範な国際統合の背景において、決議57号は、デジタル技術企業に機会を提供する「新風」と例えられています。注目すべき点は、これまで外国のソリューションを使用せざるを得ず、ベトナム製の技術製品やソリューションは数少なかったのですが、GDPの2%を研究開発に充てることで、科学技術研究、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションをさらに強力に推進するとしています。
また、ベトナムのデジタル技術企業は、あらゆる産業や分野におけるよりスマートなソリューションを開発し、企業の生産プロセスや人々の生活に応用する多くの機会を得ることになります。
科学、技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションは、2045年にベトナムが高所得国になるために、特に重要な役割を果たします。その中で、強力なグローバル企業は不可欠です。こうした状況において、決議57号は、企業共同体の意識と責任感を高め、科学技術の発展とイノベーションにおける新しいアイデアと方向性を大胆に探求し、先(さき)んじて機会をつかむことを奨励しています。
この決議は、単なる文書ではなく、ベトナムの技術エコシステム全体を変革する触媒(しょくばい)となっています。企業に対して、単に追随するのではなく、先駆者となり、グローバル市場で競争力のあるソリューションを生み出すよう励ましているものです。