ブイ・タイン・ソン外務次官、ベトナム東部海域に関するシンポジウムで発表 |
2020年、ベトナム東部海域、いわゆる、南シナ海に面している多くの国々は国連に書簡を送り、この海域の領有権に関する立場を示しました。また、東南アジア地域だけでなく、世界の他の国々も1982年の国連海洋法条約の締約国として自らの合法的権利を示していました。これはベトナム東部海域がASEAN=東南アジア諸国連合と中国との問題だけでなく、国際社会の共通の問題になっていることを表しています。
2020年ベトナム東部海域のほぼ全域に主権や管轄権を持つという中国の主張を公式に否定する国が増えてきました。2019年末、マレーシアは国連大陸棚限界委員会委員長に大陸棚延長申請を提出しましたが、2020年に入り、欧米やアジアなど最低9カ国が中国の主張を拒否する書簡を国連に送りました。
多くの国々が国連に書簡を送る
2020年7月24日、オーストラリア政府は、中国が主張するベトナム東部海域の領有権を巡って、国際法に違反しているとして否定する見解を示す書簡を国連に送付しました。オーストラリア政府は書簡の中で、ベトナム東部海域での中国の権利主張は国連海洋法条約に矛盾していると指摘しました。一方、アメリカのポンペオ国務長官が去る7月半ばに、同海域における海底資源を巡る中国の権利主張は「違法」だと述べました。
これまで、世界各国から20の書簡と共同宣言が発表し、その中で、ベトナム東部海域(南シナ海)のほぼ全域に主権や管轄権を持つという中国の主張を否定すると共に、この主張は1982年の国連海洋法条約を含め、国際法に逆行するものであると明らかにしました。
また、これらの書簡は「1982年の国連海洋法条約は海洋に関連する問題を解決する法的基礎であること、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が2016年7月12日に下した九段線とその囲まれた海域に対する中国の主張は「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」という判決は国際法の重要な一部で、中国がこれを尊重すべきであることを強調しました。
ベトナム東部海域の安全保障の確保
2020年、多くの国々はベトナム東部海域の情勢を緊張化させる行為を取ることではなく、この海域の紛争を解決するため、国連海洋法条約を始め、法的基礎に従って紛争解決策を探っています。
これは1982年の国連海洋法条約は海上に関するすべての問題解決に適用でき、世界各国が尊重していることを示しています。特に、2020年、ベトナム東部海域に関する問題が地域と世界の多くの会議で言及されました。
これらはアジア太平洋地域における政治・安全保障分野を対象とする全域的な対話のフォーラムであるARF =ASEAN地域フォーラム、東アジアサミット、ASEAN国防相会合、そして、G20 主要20か国首脳会議やASEM=アジア欧州会合など地域と世界のフォーラムです。これらの席で、各国はベトナム東部海域の平和、安定、海上、上空の自由航行を維持すること、軍事化をしないこと、自制をすること、情勢を緊張化させる行為をしないこと、1982年の国連海洋法条約を始め国際法に基づいて紛争を平和的に解決すること、及び、DOC=海上行動宣言を遵守し、COC=海上行動規範を早期に作成することを支持しています。
安全保障が確保され、繁栄したベトナム東部海域の維持は地域と世界の多くの国々が掲げている目標です。2020年、世界各国は新型コロナウイルス感染症への対応に全力を尽くしていますが、この海域に深い関心を寄せています。来る2021年、ベトナム東部海域の平和と安定が維持されることが期待されています。