ベトナムは、発展途上経済からアジア有数の成長拠点へと力強い転換を遂げています。国際機関や専門家の間では、グローバル・サプライチェーン、多国間協力、持続可能な発展におけるベトナムの役割が、ますます重視されています。こうした評価は、ベトナム共産党第13回全国代表大会で打ち出された大きな方針が着実に実行され、さらに第14回党大会に向けて継承・発展していることを示すものです。
多層的な基盤に支えられた国際的信頼
2025年を含むこの5年間、世界は大きな不確実性に直面してきましたが、ベトナムはマクロ経済の安定を維持し、堅調な成長を続けてきました。2025年には、経済・社会分野の主要指標15項目すべてを達成・上回り、GDP成長率は8.02%に達すると見込まれています。この数字は、多くの国際メディアから、世界経済の中での「明るい存在」として注目されています。
2026年1月8日、デジタルツインおよびAI分野のR&Dセンターの始動式を行う代表者ら(写真:Cẩm Tú/VOV.VN) |
2025年のFDI外国直接投資の総額は275億ドルを超え、過去5年間で最高水準となりました。とりわけ、科学技術やイノベーション分野で投資の質が着実に高まっています。去る1月8日には、フランス最大のソフトウェア企業「ダッソー・システムズ」社が、AI人工知能とデジタルツイン分野のR&D研究開発拠点およびセンター・オブ・エクセレンスをベトナムに設置し、同国をR&Dの重要拠点と位置づけました。同社は2030年までに、ベトナムで1,000人のエンジニア体制を目指し、東南アジアにおける中核的な投資拠点とする方針です。同社のアジア太平洋地域担当上級副社長のサムソン・カオウ氏は、次のように述べました。
(テープ)
「デジタルツインとAI分野のR&Dセンターおよびセンター・オブ・エクセレンスの構築には、多くの共通目標があります。ベトナムは人口面でも、政府改革、特に決議第57号に象徴される改革の面でも大きな可能性を持っており、高所得経済を目指す目標を達成できると確信しています」
ベトナムでは、イノベーション・エコシステムが着実に形成されつつあり、国際社会からは、世界のイノベーション・ネットワークにおける重要な一角として認識され始めています。市場開放、投資環境の改善、地域連携の強化に向けた取り組みは、透明性と一貫性を備えた国としてのベトナムのイメージをさらに強めています。
ビナキャピタルのチーフエコノミスト、マイケル・コカラリ氏(写真:congthuong.vn) |
投資ファンド「ビナキャピタル(VinaCapital)」のチーフエコノミスト、マイケル・コカラリ氏は次のように指摘しました。
(テープ)
「第一に、行政システムの発想が大きく変わりました。指導者が声に耳を傾け、迅速に行動しています。第二に、非常に野心的な目標を掲げていること。第三に、FDIと国内投資のバランスが取れており、改革によって多くの投資機会が生まれています」
国際企業による投資拡大も続いています。インドネシアの畜産・飼料生産大手「ジャプファ・コンフィード・インドネシア」社は、ベトナムでクリーン農業のバリューチェーン拡大を進める代表的な例です。同社のアリフ・ウィジャヤ社長は次のように述べました。
(テープ)
「これまでベトナム政府は外国投資に対して非常に透明性が高く、私たちはベトナムを信頼しています。最近は行政組織の再編や省の統合など、大きな変化も見られます。だからこそ、私たちはベトナムとより緊密に協力したいと考えています。ジャプファは、ベトナムでの長期的な協力を重視しています」
公益のために責任ある行動を
より広い視点で見ると、ベトナムはエネルギー転換、気候変動対策、サイバーセキュリティ、多国間協力といった地球規模の課題において、積極的な役割を果たしています。単に参加するだけでなく、国際フォーラムで主体的に提案を行い、対話を促進している点が特徴です。
2025年に開催された「ハノイ条約」の署名式は、その象徴的な例です。このイベントは、サイバーセキュリティ分野におけるベトナムの存在感を高めるとともに、デジタル、データ、情報セキュリティ分野への新たな投資機会を広げました。
2025年10月25~26日、ハノイで行われた国連サイバー犯罪条約(ハノイ条約)の署名式(写真:Việt Cường/VOV) |
在ベトナム欧州商工会議所(ユーロチャム)・デジタル委員会のブルーノ・シヴァナダン共同議長は、次のように評価しました。
(テープ)
「ハノイ条約の会議といえば、サイバーセキュリティやテクノロジーの分野でベトナムが想起されるようになりました。これはベトナムの技術産業にとって非常に前向きなシグナルです。また、企業が国際基準を満たすことを求められるようになり、私たち投資家にとっても大きなチャンスとなります」
新たな発展段階を迎え、第14回党大会で示される戦略的な方針を土台に、ベトナムは今後もその立ち位置を着実に強化していく構えです。すなわち、アジアの成長をけん引する存在であり、信頼されるパートナー、そして公益のために責任ある行動を取る国家としての姿です。