ベトナムの薬草を世界に紹介しているティンさん

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(VOVWORLD) -この5年間、ティンさんは少数民族が栽培しているトウモロコシと薬草の種子の維持、保存とその価値を世界に紹介するため、多くのプロジェクトを展開しています。
ベトナムの薬草を世界に紹介しているティンさん - ảnh 1          ティンさん(右)

ベトナム系アメリカ人であるダニエル・グエン・ホアイ・ティンさんはアメリカに生まれ育ちましたが、母国ベトナムに貢献するため、母国に帰国することにしました。この5年間、ティンさんは少数民族が栽培しているトウモロコシと薬草の種子の維持、保存とその価値を世界に紹介するため、多くのプロジェクトを展開しています。

2015年に帰国したティンさんは西北部、北中部の山岳地帯で展開されていた持続可能な開発のためのプロジェクトに参加したことをきっかけに、地元の人々が栽培しているトウモロコシと薬草の種子の維持、保存に力を入れることにしました。

その後、ティンさんは農業学院所属栽培作物研究所と協力して、地元の少数民族の人々が栽培されているトウモロコシの遺伝子を分析し、純種な種子を作り出しました。

その他、ベトナム北部山岳地帯では草果、シナモン、八角など、多くの貴重な民族薬物があることを知っているティンさんはこれらの薬草の価値を多くの人々に知ってもらうため、調味料を作ったり、お酒を醸造したりしました。

ティンさんが西北部の原材料を利用して、地元の伝統的醸造方法により作られたお酒は世界的なコンクールで受賞しました。ティンさんは「母国ベトナムに貢献できて、素晴らしい」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「少数民族の人々が住んでいる地域を訪れ、ベトナムの自然風景の美しさを実感しました。また、高床式の家屋で初めて泊まった時は、感無量でしたよ。その時、地元の人々の生活水準の向上のため、全力を尽くすことにしました」

ベトナムに帰国して、生活を始めてから5年たった現在、ティンさんは地元の少数民族の畜産と栽培の収穫高を高めるため技術を案内すると共に、農産物の買い上げします。ティンさんは地元の農産物の買い上げから、加工、梱包、外国での認証の申請までを行い、ベトナムの伝統的農産物を世界に紹介するという投資戦略を実施しています。

数回にわたり、ティンさんと共に、各少数民族の村落を訪れたことがあるベトナム民族学博物館のグエン・バン・フイ元館長は次のように語りました。

(テープ)

「ティンさんは各少数民族の人々が住んでいる地域を訪れ、地元の伝統的文化を理解した上で、地元の少数民族の人々に共感を持ちました。そのため、ティンさんは地元の人々の生活水準を改善しながら、ベトナムの伝統的文化を世界に紹介することに取り組んでいます」

ティンさんは「ベトナムは面白い国で、帰国したいと思っている人々にたくさんのチャンスを作り出している」というメッセージを国外在留ベトナム人に送りたいのです。

ご感想

及川三晶(おいかわかずあき)
私は現在、仕事で薬剤師をしています。大学時代は薬学部で生薬学研究室にいたので、今回のティンさんのベトナムの薬草を世界に紹介している活動について興味深く聴きました。番組内で紹介されて薬草のシナモン、八角などは生薬としてポピュラーなのものです。日本では生薬(薬草)といえば漢方薬ということになりますが、生薬の大半が中国から輸入されているのが現状です。此度のティンさんの取り組みが広がることでベトナムから日本に生薬が輸入されることに繋がるのではないか?という可能性を感じた次第です。
及川三晶 (おいかわかずあき)
私は大学時代に薬学部で生薬学研究室にいたのでベトナムの薬草を世界に紹介しているティンさんの活動を興味深く聞きました。主に日本では漢方薬に生薬(薬草)が用いられていますが、番組で紹介されていたシナモン、八角などはいずれもポピュラーなものです。現在、用いられている生薬の多くは中国からの輸入品ですがティンさんの活動が広がればベトナムからの生薬(薬草)の輸入につながるのではないかと可能性を感じました。