行政機構のスリム化 |
1.行政機構のスリム化、行政区画の再編、二層制地方政府の運営
2025年7月1日、全国で二層制地方政府が正式に運営を開始しました。
合併・再編の結果、全国の63の省・中央直轄市は34の省・市となり、3321の村、地区、特区が設置されました。トー・ラム書記長は、この「国家再編」の決定は、戦略的意義を持つ歴史的な一歩であり、国家行政機構の完成、制度および政治システムの組織を同時的かつ統一的に整備する過程において、新たな発展段階を画するものであると強調しました。
これは、スリムで、効果的・効率的な政治システムの完成を目指すとともに、人民に寄り添い、人民のために奉仕する現代的な行政管理体制を完成させ、あらゆる利益が人民に帰属することを目標とするものです。
戦略的決議を公布、国家を新たな発展の時代へ導く |
2.7本の戦略的決議を公布、国家を新たな発展の時代へ導く
2024年末から2025年にかけて、政治局は7本の戦略的決議を公布しました。
このうち、科学技術の発展、イノベーション、国家デジタル転換におけるブレイクスルーに関する決議57号、新たな状況における国際統合に関する決議59号、新たな時代における国家発展の要請に応える立法および法の執行の刷新に関する決議66号、および民間経済発展に関する決議68号の4つの決議は現在の情勢において国家を発展させるための中核的かつ重要な課題を担うものとして、「四本柱」と位置づけられています。
さらに、エネルギー、教育・人材育成、国民の健康ケアという、国民一人ひとりに直接影響を及ぼす「国計民生」の3分野に対応する、決議70号、71号決議、72号という3本の専門決議が公布されました。各決議は、それぞれ重点とする分野は異なるものの、ベトナムが迅速かつ持続可能に発展するための強固な基盤を構築するという共通の目標を有しています。
中央から基礎レベルに至るまで、各級の党委員会、党組織、国家機関、団体は、これらの決議を具体的なプログラムや行動計画へと早急に具体化しました。党の文書小委員会は、政治局の7本の決議に盛り込まれた中核的な内容を精選・補足し、第14回党大会に提出される政治報告に反映させました。
国会が憲法を改正し、数多くの画期的決定を可決 |
3.国会が憲法を改正し、数多くの画期的決定を可決
2025年6月16日、第15期国会第9回会期において、出席した国会議員の100%の賛成により、2013年憲法の一部を改正・補足する決議が可決されました。
この歴史的な決定は、新たな発展段階における要請に応えるため、国家機構のスリム化を進める法的枠組みを整備するものであり、特に地方行政府の再編、ベトナム祖国戦線、政治・社会団体、ならびに党および国家から任務を委託された各種団体に関する規定を明確化するものです。
2025年に開催された2回の通常会期および1回の臨時会期を通じて、第15期国会は画期的な刷新を遂げ、合計89本の法律、91本の決議を可決しました。国会は、土地、公共投資、地方行政府組織など、国家発展において中核となる多くの法律を改正・補足し、投資方針の決定、予算配分、組織再編において、地方への権限委譲を拡大しました。
各級党大会が成功裏に開催された |
4.各級党大会が成功裏に開催され、第14回党大会に向けた前提を形成
全国で6万を超える党基礎組織、中でも中央直属の40の党委員会すべてが2025~2030年任期の党大会を開催しました。際立っている点は、準備作業が周到かつ体系的であり、実施が迅速・簡潔で、大会後の組織・機構が早期に安定したということです。
これは、全党・全軍・全国民にとっての深い意義を持つ大規模な政治活動であるだけでなく、第14回党大会を成功裏に開催するための重要な前提条件ともなっています。
中央レベルにおいては、国会、政府、ベトナム祖国戦線、中央機関、軍隊および公安の各党委員会が、新たな構造に基づいて組織・機構の再編を主体的に進めており、よりスリムで、職能、責任、権限が明確な体制を構築し、新たな発展段階の要請に応えています。
過去5年間で最高のGDP成長率を達成 |
5.過去5年間で最高のGDP成長率を達成
世界経済が多くの不安定な要因を抱える中、特にアメリカの相互関税政策による挑戦や、自然災害による深刻な影響を受けながらも、ベトナムは2025年に8%を超えるGDP成長率を達成しました。これは、過去5年間で最も高い成長率です。輸出は経済の明るい材料となり、輸出品目の構成は加工・製造品グループへと積極的に転換しました。輸出入総額は9200億ドルを超えると見込まれています。
マクロ経済は引き続き安定を維持し、インフレ率は4%未満に抑制される見通しです。
国家予算歳入は、2025年12月中旬時点でおよそ920億ドルに達し、予算見込みを25%以上上回り、前年同期比でも大幅に増加しました。
一人当たりGDPは約5000米ドルに達し、2020年と比べて1.4倍増となり、ベトナムは上位中所得国グループに加わりました。金融市場は安定的に発展を続け、株式市場は2025年に「二次新興市場」へと格上げされました。
社会保障を強化、仮設住宅・老朽化した住宅の解消を完了 |
6.社会保障を強化、仮設住宅・老朽化した住宅の解消を完了
2025年8月26日、「全国挙げて仮設住宅・老朽化した住宅をなくす」競争運動は、1年4か月の実施期間を経て終了しました。
これまでにおよそ19億ドルが投入され、33万4234戸の仮設住宅および老朽化した住宅が解消されました。
2025年11月30日、首相は引き続き、「クアン・チュン作戦」を発動し、中部各省において自然災害により被害を受けた住宅の再建・修繕を迅速に進めるよう指示しました。その目標は、2026年1月31日までに1628戸の新築住宅を完成させ、2025年12月31日までに3万4352戸の被害住宅の修繕を完了することです。
これと並行して、医療・教育分野においても多くの画期的な政策が公布されました。決議71号は、2030年までに3~5歳児の就学前教育の普及を達成し、高校課程修了者の割合を少なくとも85%に引き上げることを目標としています。
また、2025~2026学年度から、公立の就学前教育機関および普通教育機関に通う児童・生徒の授業料が免除されます。国境地域の各村において、寄宿制を併設した普通教育一貫校100校が着工されました。
決議72号は、2026年から全国民が無料で定期健康診断を受けられることを目標とし、2030年までに医療保険の給付範囲に基づく基本的な医療費の無償化を段階的に実現することを掲げています。これにより、全国民が基礎的な医療サービスへ平等にアクセスできる体制を確保するとしています。
ンフラ分野での大きな突破、国家発展の確固たる基盤を構築 |
7.インフラ分野での大きな突破、国家発展の確固たる基盤を構築
2025年は、インフラ整備の分野において強力な突破口を開いた年として位置づけられ、新たな時代における国家発展の要請に応える、同期的かつ近代的なインフラシステム構築のための重要な前提および基盤となりました。
南部解放・国家統一50周年、八月革命の勝利および建国記念日80周年、ならびに第14回党大会を祝う3回の同時起工・落成式を通じて、全国で564件の重要な大型プロジェクトが一斉に展開され、総投資額はおよそ1970億ドルを超えました。このうち、約140件の大型プロジェクトが完成し、供用開始され、実効的に活用されています。
特に注目されるのは、3500kmを超える高速道路の完成・技術開通、ロンタイン国際空港での初便就航、国家展示・見本市センターの供用開始、各重点エネルギープロジェクトの稼働開始です。
同時に、ザー・ビン空港、ホンコアイ港、カンゾー都市区、オリンピック・スポーツ都市区、都市鉄道プロジェクトが着工され、南北高速鉄道建設の準備が進められたほか、2027年APEC開催に向けたフーコックでの関連プロジェクトも展開されました。
八月革命の勝利と建国記念日80周年、南部解放・国家統一50周年の国家的記念行事を成功裏に開催 |
8.八月革命の勝利と建国記念日80周年、南部解放・国家統一50周年の国家的記念行事を成功裏に開催
2025年には、多くの記念行事が成功裏に開催されました。中でも、八月革命の勝利および9月2日の建国記念日80周年、南部解放・国家統一50周年を記念する一連の行事は、これまでにない深い印象を残しました。
2025年9月2日午前、首都ハノイのバーディン広場で、また同年4月30日午前、ホーチミン市のレ・ズアン通りで行われた閲兵・行進には、数百万人の国民と人民武装部隊が参加しました。
これらの閲兵・行進の光景は、独立、自由、平和、友好への強い希求という深いメッセージを国際社会に発信しただけでなく、民族の自尊心と誇りを呼び覚ます大きな感動を国民にもたらしました。
前例のない異常かつ激甚な自然災害により、人命と財産に深刻な被害 |
9.前例のない異常かつ激甚な自然災害により、人命と財産に深刻な被害
2025年は、ベトナムの気象・水文観測史上、最も自然災害が集中的に、異常かつ激甚な形で発生した年の一つと評価されています。
台風、大規模豪雨、洪水、鉄砲水、土砂崩れといった危険な気象現象が、広範囲にわたり、連続的かつ重なり合って発生しました。
ベトナム東部海域(南シナ海)では15個の台風と6個の熱帯低気圧が発生しました。極端な豪雨により、北部および中部地域の18本の河川で観測史上、最高水位を記録する洪水が発生しました。
メコン川下流域では、ティエン川およびハウ川で観測史上最高の高潮が発生し、都市部や低地では極めて深刻な浸水被害が生じました。
12月20日時点で、全国で468人が死亡または行方不明、741人が負傷しました。家屋では、4200戸近くが全壊、流失、倒壊し、34万8834戸が損壊または屋根損傷の被害を受けました。
また、54万5395ヘクタールの稲および農作物が冠水しました。さらに家畜およそ7万1687頭、家きん約516万羽が死亡、または流失しました。
水産養殖用のいかだや生けす17万1763基が被害を受けたほか、堤防や護岸、用水路などおよそ1070キロが損傷しました。河川や海岸の岸辺およそ140キロで浸食や崩落が発生し、道路についても、およそ1259キロにわたって被害が確認されています。
総被害額はおよそ38億ドルにのぼり、2025年GDPの0.7~0.8%に相当します。
自然災害への対応は、中央から地方まで集中的かつ統一的で、断固たる方針のもとに展開されました。
文化産業が大きな足跡を残し、前例のない記録を樹立 |
10.文化産業が大きな足跡を残し、前例のない記録を樹立
2025年は、ベトナムの文化産業にとって画期的な成功を収めた年となり、エンターテインメント市場は、興行収入および観客動員数の両面で、これまでにない記録を打ち立てました。
特に、国際基準に基づいて演出された「国家コンサート」は、伝統的価値と現代的なエンターテインメント表現を調和させ、豊かな感情を喚起するイメージを創出しました。映画分野では、ベトナム映画史上最高の興行収入を記録する作品が誕生し、映画『赤い雨(Mưa đỏ)』は興行収入7140億ドンを突破しました。
2025年11月14日、ファム・ミン・チン首相は、2045年を見据えた2030年までのベトナム文化産業発展戦略を承認する決定に署名しました。
この戦略では、2030年までに文化産業の平均成長率を年約10%とし、GDPへの寄与率を7%に引き上げることを目標としています。
2045年までには、ベトナムをアジア地域における文化産業・エンターテインメント産業の先進国とし、世界の文化産業地図における地位を確立するという目標が掲げられています。