クイニョン市中心部から約70km、フーミー県ミートー村タンフン漁村にあるヴィロン岬は、荒々しく壮大でありながら、どこか詩情を感じさせる原始の景観が残る
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何百万年もの歳月をかけて波や風に削られた岩肌は、苔むした部分と夕陽の金色が相まって、古代的かつ神秘的な風景を作り出す
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海へ突き出した岩頭が幾重にも波打ち、太陽の光を受けてまるで龍の鱗のように輝く
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「ヴィロン」という名は、この岩の形状に由来するだけでなく、地元に語り継がれる不思議な伝説にも根ざす
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言い伝えによれば、唐の時代に有名な風水師・高駢(カオ・ビエン)が鯉の鱗のような龍脈が海に向かって伸びているのを見つけ、朝廷に災いをもたらすのを恐れてその龍脈を断ち切った。落ちた鱗がいま見られる龍の頭のような岩々になったという
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岬の下には断崖がアーチを描き、まるで天然の洞窟のよう。その中はツバメの営巣地にもなっている
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岩山の雄大さと海の穏やかさが調和する場所。絶え間なく打ち寄せる波が岩に模様を描き、さざ波の音がまるで海の子守唄のように響く
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自然の景観だけでなく、タンフン漁村の人々の素朴さと温かさも訪れる人の心を惹きつける。小さな家々、色とりどりの船、金色の砂浜が、のどかな漁村の情景を彩る
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今やヴィロン岬はビンディン省観光の新たな名所となりつつある。原始の風景、伝説、透明な海、そして人のぬくもり、すべてが訪れる人を惹きつける
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