中部沿岸部のニントゥアン省(カインホア省に統合)は、厳しい気候、および日射強度と風速が国内で一番高い地域として知られています。しかし、これは同省が再生可能エネルギーの開発に有利な条件をそなえ、また大きなチャンスを有しています。
フックミン村での風力発電プロジェクト(写真:Công Thử/TTXVN) |
ニントゥアン省は、年間、年間2500~3100時間の総日照時間で、国内最高の日射量を誇っています。年間を通じて9ヶ月は晴天であるため、国内で最も太陽光エネルギーの潜在力が大きいと評価されています。それに加え、ニントゥアン省はベトナムで最も風速の速い地域であり、風力発電の発展に非常に適しています。
ベトナム科学技術アカデミーの評価によりますと、ニントゥアン省は陸上、沿岸、沖合のいずれにおいても太陽光エネルギーと風力エネルギーの豊富な潜在力を持つと同時に国内最大の揚水発電の潜在力にも恵まれています。
ベトナム科学技術アカデミー環境・エネルギー科学評議会副議長であるドアン・ヴァン・ビン博士は、次のように述べています。
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「ニントゥアン省におけるエネルギーの潜在力、および再生可能エネルギー開発の可能性は非常に大きいものがあります。近年、同省はエネルギー開発において非常に重要かつ大きく、体系的な進展を遂げてきました。この地方は、地域におけるエネルギー・再生可能エネルギーセンターのモデルを構築するために、詳細かつ科学的、実践的な計画を策定してきました」
これまで、ニントゥアン省はハード(Ha Do)グループ、チュンナム(Trungnam)グループ、BIMグループ、ハンバラム(Hanbaram)、チュオンタイン(Truong Thanh)、ティエンタン(Thien Tan)などの国内外の多くの企業を誘致し、再生可能エネルギーの開発・活用を促進してきました。これにより、同省は再生可能エネルギー開発において国内トップクラスの地域となっています。
その中でも、ハード・グループはニントゥアン省に合計100MWの再生可能エネルギー発電所2基を展開しており、現在、50MWのフォックヒュウ(Phuoc Huu)風力発電所を稼働しています。ハード・グループ7A風力発電所所長のホアン・ヴァン・チエン氏は次のように述べています。
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「ニントゥアン省が風力発電および太陽光発電プロジェクトへの投資に素晴らしい潜在力を持つ場所であると認識しています。私たちは、今後も、ニントゥアン省でいくつかのプロジェクトの実施を続ける方針です」
2018年に建設されたフックディン村にあるバウニュ太陽光発電所(写真:Công Thử/TTXVN) |
一方、ニントゥアン省の戦略的投資家として、再生可能エネルギー分野で多くのプロジェクトを手がける「チュンナムのグループは、グリーン水素を生産するためのグリーンエネルギー複合施設を研究、開発しており、国内供給だけでなく輸出も視野に入れています。同グループのグエン・タム・ティエン総裁は次のように述べています。
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「ニントゥアン省は再生可能エネルギー、水、太陽、風に関わる潜在力に恵まれています。したがって、私たちの目標は水素生産を強化することです。2050年までの目標は、太陽光発電、風力発電、揚水発電、蓄電を含むグリーンエネルギー複合施設を建設し、グリーン水素、アンモニアを生産し、工業団地にグリーン電力を供給できるように取り組んでいます」
現在、ニントゥアン省は国内で最大の再生可能エネルギーを展開している地方であり、57件の太陽光発電、および風力発電プロジェクトが商業運転に入っており、総容量は約3750MWで国の送電網に接続されています。2024年、再生可能エネルギー分野は省・市別国内総生産の約23%を占め、歳入の24%に貢献し、地域の社会経済発展に重要な役割を果たしました。
ニントゥアン省人民委員会副委員長のチン・ミン・ホアン氏は次のように述べています。
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「クリーンエネルギー開発プロジェクトは国内外からの資金を調達し、雇用創出、工業生産額の増加、経済構造のより現代的な方向への転換、農業および従来型の資源採掘への依存度の低減に貢献し、年間約1兆ドンもの地方歳入を増加させています。クリーンエネルギー開発プロジェクトの実施は、インフラ、交通、送電網システム、その他の補助サービスの発展をもたらしました。これらの要素はエネルギープロジェクトだけでなく、他の経済部門の発展も支援しています」
ニントゥアン省は2050年を見据えた2021年から2030年までのマスタープランの中で、エネルギーの開発を地元の主要経済部門と位置付けています。