地方行政府は現在、こうした海洋資源の潜在力を最大限に引き出し、競争力の高い独自の観光商品の開発に取り組み、観光を重点経済分野のひとつに位置づけることを目指しています。ニントゥアンといえば、太陽と風に恵まれた土地で、強い日差しと風こそが、この地ならではの魅力を形づくっており、海洋観光にとって他にない好条件となっています。
ニンチュービーチ(写真:Nguyễn Thành/TTXVN) |
ニンチュー湾、ビンティエン湾、カナー湾、ナムクオン砂丘といった著名な湾や砂丘に加え、ヴィンヒー湾は「ベトナムで最も美しい湾のひとつ」に選ばれ、世界9大生物圏保護区のひとつにも認定されています。沿岸部に生息する356種以上のサンゴ礁が広がる海中景観は、国内外の旅行者を惹きつける観光資源のひとつです。
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「ベトナムで一番美しい道は、このヴィンヒー湾をぐるりと囲む海沿いの道に違いありません。上から見下ろすと、海は驚くほど透明で、泳ぐ魚まで見えます。風もとても心地よく、ただ立っているだけで素敵な写真が撮れるんです」
「今まで見た中で、ここは最も美しいビーチだと思います。本当に素晴らしいです。海の色は青やエメラルドグリーンなど、とてもカラフルですし、海沿いの道路も見事です」
地元の観光当局の統計によりますと、ニントゥアン省を訪れる観光客のうち約80%が海洋観光を目的としており、観光客数は年々、増加傾向にあります。海洋観光の形態や観光商品も年々多様化・魅力化が進み、色とりどりの魚と一緒に泳ぐアクティビティ、丸い小舟「トゥン」ボートでの釣り体験、グラスボートによるサンゴ礁観賞、沿岸部の伝統的な手工芸村の見学など、多彩な体験が観光客の人気を集めています。
風光明媚な湾に位置するヴィンヒー観光村(写真:Nguyễn Thành/TTXVN) |
これまで、地方行政府は海洋観光商品の多様化に向けた戦略的な取り組みを進めており、特にインフラ整備への投資と改善に力を入れています。2024年には、観光分野において新たに29件の投資案件を認可または調整し、ニンハイ、トゥアンナム、カナーといった海沿いの地域を中心に、大規模な観光プロジェクトの展開が進められています。さらに、国際的な観光地を視野に入れた機能ゾーンの整備も計画されており、ニントゥアン省を中部沿海地域における「新たな新興観光地」として位置づける方針です。
ニントゥアン観光協会のグエン・ヴァン・トゥ副会長は次のように述べました。
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「いかにして観光客の滞在を延ばし、再訪を促すかがカギとなります。そのために、私たちは施設の整備や新たな観光資源の開発に注力しています。これにより、観光客に対してより魅力的な新たな観光商品を提供していきたいと考えています」
党と国家の方針に基づく行政単位の合併により、ニントゥアン省の経済、とりわけ海洋観光に大きな発展の機会が生まれています。この合併を通じて地域間の連携が進み、海の利点をより広く活用し、海洋観光の発展空間が拡大される見通しです。既に策定されたニンチュー国家観光区開発計画も、この地域連携により潜在的な価値がさらに引き出され、海洋観光の振興に活かされることが期待されています。これにより、地元の社会経済発展が促進され、ニントゥアン省における観光の飛躍的な成長、ひいては南中部沿岸地域全体の観光振興につながると見られています。
ベトナム観光研究院の元副院長ファム・スアン・ルオン氏は次のような見解を述べました。
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「ニントゥアン省は、ニャチャン、ニンチュー、ダラットという、ベトナム観光における7大重点地域の一つを構成する重要な「成長の三角地帯」の一角を占めています。こうした地域連携の強化により、観光の新たな突破口が生まれ、より多くの観光客をニントゥアン省に呼び込むことが可能になると期待されています」
また、再生可能エネルギーの開発(風力発電や太陽光発電)は、観光産業を促進する新たな方向性として注目されています。最近、ニントゥアン省で行われた党中央委員会と地方行政府との会合で、トー・ラム書記長は次のように強調しました。
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「省は引き続き刷新を進め、競争優位のある分野へのインフラ投資を呼び込むメカニズムを整える必要があります。再生可能エネルギー施設における体験型観光の開発や、海洋資源の持続的かつ効果的な活用に注力すべきです」
このように、ニントゥアン省は海洋資源の強みを活かし、観光の新たな可能性を切り開くことで、ベトナム観光地図での存在感を高めつつあります。観光を基幹産業とする目標は、今まさに新たな変革期において、力強く進められています。