この地域では気候や土壌に適したさまざまな果樹も導入されており、良好な気候条件に加え、科学技術の導入が進められていることで、果実の品質が着実に向上し、農家の収入増加に繋がっています。
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フィエンクアイ村第2アイ集落のホアン・ドゥック・ロンさんの家庭では、2ヘクタールを超えるスモモ畑を管理し、年間およそ35トンを収穫しています。そのうち200本以上が早生種で、早生スモモは1キロあたり7万〜12万ドン(約2.6〜4.9ドル)、通常のスモモは2万5千〜3万ドン(約0.9〜1.15ドル)で取引されています。これにより年間400万〜500万ドン(約1万5300〜1万9100ドル)の収入を得ており、さらなる収益向上を目指して柿や梨の栽培も始めています。中でも梨は今年、初収穫を迎え、約700〜800キログラムが市場に出回り、1キロあたり3万5千〜4万ドン(約1.34〜1.53ドル)で販売されています。ホアンさんは次のように語ります。
(テープ)
「今後はスモモの栽培をVietGAPやGlobalGAPの基準に沿って進め、品質のさらなる向上を図りたいです。梨や柿といった果物も増やして収入を安定させたいと思っています」
第2アイ集落では、102世帯が計108ヘクタールのスモモを有機栽培で育てています。近年は地方行政府の支援を受け、点滴灌漑など自動散水システムの導入が進み、省力化とコスト削減に繋がっています。
集落長のホアン・バン・ティックさんは次のように話します。
(テープ)
「住民に有機栽培を進めるよう呼びかけ、大きくて質の良い果実を作ることを重視しています。こうした果実が国内外の市場で通用するよう目指しています。」
フィエンクアイ村では現在、スモモのほかマンゴー、梨、リュウガン、柿、イチゴなど3000ヘクタール以上の果樹栽培が行われています。地方行政府は住民に対して技術指導を強化し、付加価値の高い農業を推進するとともに、販路拡大のための取り組みも進めています。
その一環として、「フィエンクアイ・スモモ」のブランド化や収穫祭の開催、産直イベントでの販売、郵便局や企業、協同組合と連携したライブ配信での販売促進、さらに全国4200カ所への販売網の展開などが進められています。
フィエンクアイ村経済インフラ部のブイ・バン・クアン副部長は次のように述べています。
(テープ)
「地方行政府は農家に対し、剪定や病害虫防除などの技術研修を実施し、生産性の高い甘くて大きな果実を育てられるよう支援しています。それによって果樹の経済的価値が向上しています」
今年のスモモの収穫による村全体の売上は約2160億ドン(約8万2600ドル)に達する見込みで、貧困率の改善にも寄与しています。今後はVietGAPやGlobalGAPの基準に基づく品質向上をさらに進め、「一村一品」製品の構築を目指します。
これにより、住民はスモモをはじめとする果樹栽培に一層の誇りと意欲を持ち、故郷での豊かな暮らしを実現しようとしています。