北部山岳地帯ソンラ省は、「一村一品運動(OCOP)」の取り組みにおいて、全国でも先進的な地域の一つです。同省は、このプログラムを農村経済の発展を促進する中心的な解決策と位置づけ、地域の潜在力を生かし、製品の付加価値を高め、人々の生活水準の向上を目指しています。
ソンラ省の農産物は品目も形態も多様で豊富(写真:Lê Hạnh/VOV-Tây Bắc) |
気候や土壌条件に恵まれた北部山岳地帯の特性を活かし、ソンラ省は果樹、茶、薬草を中心とする農業の一大生産地として発展してきました。OCOPプログラムの本格的な展開により、農業生産の構造転換が進み、ソンラ農産物のブランドは国内外で確立されつつあります。
現在、ソンラ省全体では、食品、飲料、薬草、土産品、農村観光の5分野にわたり、200を超える農産物が認定候補となっており、その多くがOCOP製品として登録されています。代表的なものには、純粋な粉末コーヒー、コーヒーチェリーティー、緑茶、特産シャン茶、ヴァンホー紅茶、モクチャウ生春雨、霊芝、ゴクリン高麗人参エキスなどが挙げられます。これらは北西部少数民族の文化的特色を色濃く反映しつつ、経済的価値や商業性も高く評価されています。
ソンラ省は「OCOP一村一品」プログラムの製品開発をリードする地域の一つ(写真:Vĩnh Phong/VOV5) |
OCOPプログラムは、農村経済の発展に強力な推進力を与え、特に山間部の住民の収入向上と生活改善に大きく寄与しました。多くの協同組合や企業、農家が小規模・分散型の生産から脱却し、サプライチェーン型の連携モデルを採用するとともに、生産から加工、包装、流通まで一貫したプロセスを整備し、品質重視の考え方が農村全体に広がりつつあります。5月19日農業開発サービス協同組合のマイ・ドゥク・ティン社長は次のような見解を述べています。
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「協同組合と農家が一体となり、安全で高品質な製品を提供しています。これにより、農産物や加工品のブランド力が向上しています」
OCOP認定後、製品の売上は2〜3倍に拡大し、数千人の農村労働者に安定的な収入をもたらしています。また、新農村建設の推進や住民の生活向上、地域経済発展への信頼醸成にもつながっています。
こうした成果はソンラ省がOCOP参加事業者に対し、人材育成や経営能力の向上、製品デザイン、包装、ブランド構築、トレーサビリティ導入など、多様な支援を行ってきたことにより、得られたものです。さらに、設備改善や工場のアップグレード、食品安全基準の認証取得、品質表示やバーコード付与なども推進し、製品競争力を高めています。バオ・ザ有限会社のグエン・ヴァン・トゥアン社長は次のように話しました。
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「参加後、専門的なアドバイスを受けて、製品づくりやパッケージングが格段に改善され、より多くの消費者に届くようになりました」
ソンラ省では、第2四半期から第3四半期にかけて主要果実の収穫期を迎える(写真:Thu Thuỳ/VOV-Tây Bắc) |
また、ソンラ省は販路拡大のため、OCOP製品の紹介店舗を整備し、ハノイ、ダナン、ホーチミン市などの大都市で展示会やフェアを開催してきました。さらに、デジタル経済の開発に合わせ、PostmartやVoso、SendoといったECプラットフォームへの出品を促進し、中間コスト削減や消費者への直接供給を実現しています。ソンラ省青年同盟委員会のカム・ティ・フエン・チャン書記は次のように語りました。
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「デジタル技術を活用した農産物の広報は非常に効果的です。研修や販売スキル向上に関する研修会を通じ、農家のデジタルシフトへの意識を高めていきたいと考えています」
今後、ソンラ省はOCOPプログラムの持続的発展に向け、国際基準に対応できる高品質な製品づくりや、観光と連携した新しい展開を推進します。OCOPは単なる経済発展の原動力にとどまらず、ソンラの人々が自らの故郷で豊かさを築く自信につながっています。