ホアビン省のムオン族が紡ぐ伝統織物の魅力

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(VOVWORLD) - 少数民族ムオン族は美しく精巧な模様と装飾が特徴的な伝統織物技術を高度に発展させてきました。北部ホアビン省ラクソン県イェンギエップ村では、今もなおムオン族の人々が伝統衣装を自ら染め、織り続けています。
ホアビン省のムオン族が紡ぐ伝統織物の魅力 - ảnh 1

ムオン族の伝統では、15~16歳の少女はすでに織物技術を習得し、枕や布団、衣服などの品々を作って嫁ぎ先へ持参することが求められていました。これは女性が家族のために心を配り、家庭を大切にする思いやりと器用さを示す方法でもありました。このように織物技術はムオン族の生活に深く根付き、彼らの文化的アイデンティティとなっています。ホアビン省ラクソン県イェンギエップ村ルック集落のブイ・ティ・ブオンさんは次のように語りました。

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「幼い頃から母に織り方を教わりました。今では家族の伝統となっています。この技術はムオン族なら誰もが身につけるべきもので、一般的にムオン族の女性はこれを知らないと結婚できません。知らなければ誰も結婚相手に選びたがらないのです」

かつてムオン族は自分たちで紡いだ綿糸や絹糸で布を織っていましたが、現在では糸を自分で紡ぐことはなく、市場で販売されている既製の糸や毛糸を使用しています。しかし、素材が変わっても、ムオン族の女性たちは日々、シンプルな織機の前で忍耐強く丁寧に繊細な模様を織り続けています。同じくルック集落に住むブイ・ティ・ランさんの話しです。

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「昔は今のような既製の糸ではなく、綿や絹の糸で作りました。桑を育て、蚕を飼い、絹を取り、糸を紡ぎ、スカートの腰部分のために赤や黄色に染めていました。今では工業製の糸があるので、カラー糸を買って織るだけになりました」

ホアビン省のムオン族が紡ぐ伝統織物の魅力 - ảnh 2

ムオン族は12種類の伝統模様を駆使して、日常生活のさまざまなニーズに合わせた製品を生み出しています。彼らは主に布団とマットレスカバー、スカートの腰部分、装飾用の布という3つの部分に模様を織り込みます。特にムオン族のスカートの腰部分は、彼らの織物文化の精髄と価値を見事に表現しています。ランさんはさらに次のように語りました。

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「たくさんの模様がありますが、最も美しいのは花の円盤模様と龍の頭です。昔は龍の模様のスカートは裕福な家庭の人だけが身につけることが許されました。貧しい家の娘が嫁入りの際にこれを着たり、外出して領主の目に触れると罰せられました。今ではお金があり好きな人なら誰でも着ることができ、昔とは大きく変わりました」

現在、イェンギエップ村には約200台の織機があり、168人の職人が年間5万点以上の製品を生産して、地域住民や近隣の地方の需要に応えています。地域住民の必要性と市場のニーズを捉え、ルックギエップタイン農業・織物協同組合が設立され、住民に雇用機会を提供するとともに、地域の織物製品を市場へと送り出しています。同協同組合のドゥオン・ティ・ビンさんは次のように語りました。

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「織物技術は長い間廃れていましたが、協同組合を設立した際に私たちは市場開拓に取り組みました。当初は市場はそれほど広くなく、地域のニーズと近隣のタインホア、ディエンビエン、ソンラなどの省にのみ対応していました。当時の製品は伝統的なデザインを踏襲していましたが、それでも人々に喜ばれました。その後、徐々に改良を重ね、各地域に適した多様なデザインを生み出しました。現在、私たちの製品はまだ海外輸出には至っていませんが、省内および近隣の省では当地の手刺繍の織物製品が非常に高い評価を得ています」

協同組合への参加により、組合員たちの生活水準は明らかに向上し、収入も安定してきました。これはルック集落に住むディン・ティ・メイさんの実感です。

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「この仕事は家族に安定した収入をもたらしています。私が願うのは、国がもっと関心を持ち、人々が安定した仕事と賃金を得られるようにして、皆の暮らしが少しでも楽になることです」

カラフルな糸とムオン族の女性たちの勤勉さから生まれた織物には、独特の模様と豊かな人生哲学が込められています。山岳地帯に暮らすムオン族の生活と密接に結びついた草木や花、神獣などのモチーフが一枚一枚の織物に表現され、ホアビン省のムオン族の特徴的な文化遺産となっているのです。

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