伝統によれば、カテー祭は「神輿巡行」、「塔のご開帳」、「神像の清め」、「神への衣装奉納」、「大祭」といった儀式で構成されています。
「塔のご開帳」儀式 |
祭壇を設営した後、初日の朝、巡行団は祭服、神輿、香炉、日傘、旗、団扇などを準備します。サラナイの笛、ギナン太鼓、パラヌン太鼓、そして銅鑼の音が鳴り響く中、祭礼団は衣装を纏わせた神輿を各村落から塔へと運び出す巡行を開始します。
長い巡行の道のりでは、祭礼団は観光客や市民に祭りの独特な魅力を披露します。色とりどりの祭服に加え、様々な楽器の演奏や扇の舞、太鼓の舞、輪舞といった民俗舞踊が人々を魅了します。塔への道の両側には、巡行団を一目見ようと多くの住民や観光客が集まり、声援を送るため、祭りの熱気は最高潮に達します。
(現場の音)
神輿巡行の儀式では、チャム族の男性は白い衣装を身につけ、肩に白いスカーフを掛けます。女性はピンクの上着と白いズボンを着用し、同様に白いスカーフを掛けます。頭には、高級嗜好品として珍重されるヤシ科の植物「ビンロウ」の果実を盛った盆を載せるか、あるいは旗を持つ人もいます。
巡行団が寺院の塔に到着すると、聖職者たちは神々に許可を求める儀式を行い、塔の扉を開けて衣装を中に運び入れます。この儀式において、神々を清め、衣服を着替えさせる一連の工程は、チャム族にとって特に重要視されています。
儀式における聖職者たちの役割分担について、中部ニントゥアン省のチャム族の聖職者ダン・ラン氏は次のように述べています。
(テープ)
「儀式を執り行う人々には、それぞれ重要な役割があります。第一にバー・ボン、第二にカー・タン、第三にパセーです。バー・ボンの役割と責任は、儀式における作業の分担です。カー・タンはカンヒという弦楽器を奏でる役割を担い、神々を招き入れ、証人となっていただくための呼びかけを行います。パセーは、菓子、豚、鶏、鴨などの供え物を捧げる役割を担います。」
「神像の清め」儀式 |
ニントゥアン省ニンフック県フオックヒュー村に住むチャム族のナイ・ヴァン・ヴオン氏は、次のように語りました。
(テープ)
「塔の扉を開ける儀式では、パセーが中心となってカンヒを演奏しながら壮大な歌を歌い、チャンパ王国の歴代英雄王の名前を一人ひとり唱えます。それぞれの名前には異なる歌が、そして異なる意味が込められています。各王、各君主にはそれぞれの功績があり、水利のためのダムを建設した王もいれば、領土を開拓した王もいます。そのため、聖歌の歌詞や歌には、それぞれの王の功績を称える異なる意味が込められているのです。」
この儀式では、主宰者であるパセーが歌を歌うのに合わせて、聖職者たちは神の衣服を脱がせ、神像を清めます。ダン・ラン氏は、さらに詳しく次のように説明します。
(テープ)
「カー・タンの役割は、儀式の作法を指示・指導することです。清めの際、カー・タンが弦楽器カンヒを奏で、歌声を響かせると、他の聖職者たちはこれから何を行うべきかを理解します。いつバー・ボンが神像を清めるのか、いつ衣装を着替えさせるのか、いつすべての供え物を捧げるのかを理解するのです。カンヒを奏でるカー・タンは、すべての儀式に精通し、すべての呪文を記憶していなければ、この儀式を執り行うことはできません。」
清めと衣装着用の儀式が終わると、神像は華麗な龍袍を身に纏い、チャム族による大祭が執り行われます。パセーが神々への感謝を込めた儀式を主宰し、神々に捧げる様々な供え物が祭壇の前に並べられます。
すべての儀式が終了すると、祭りの賑わいに移ります。塔の外では、伝統的なチャム族の歌と舞踊が始まり、ギナン太鼓、パラヌン太鼓、サラナイの笛の音に合わせて祭りは最高潮を迎えます。人々は皆、加護、順調な天候、豊作、子孫の健康と繁栄、そして多くの幸運を先祖と神々に祈ります。
カテー祭の祭礼における一連の儀式は、まさにカテー祭の「核心」と言えるでしょう。歴史の様々な変遷を経てもなお、この儀式は変わることなく受け継がれ、チャム族の人々に世代を超えて伝統と源流への想いを抱かせ続けています。