チョロイ・ルム・チェック祭り |
(クメール族の音楽)
チョロイ・ルム・チェック祭りは、南部カントー市で毎年旧暦2月14日と15日に開催されます。地元住民の話によると、この祭りは300年前から続いているとされています。祭りは国家の安泰と人々の平安、そして豊かな天候を祈ることを目的としています。また、住民が開拓の功労者である先祖、豊かな生活を与えてくれた天地と神霊、そして豊富な海の幸を与えてくれる海に感謝する機会でもあります。
現地のセーライ・クロ・サン寺院のアチャーであるソン・トル氏にお話を伺いました。アチャーとは、寺院で長年修行を積み、仏法への深い理解を持つ僧侶のことです。
(テープ)
「ここの住民の大部分は海での漁業を生業としています。住民は毎年、豊かな生活を支えてくれる海への感謝の気持ちを表すために安全祈願の儀式を行います。この祭りは昔から現在まで毎年途絶えることなく続けられています」
祭りは厳粛な慰霊祭で幕を開けます。砂山のそばで行われるこの儀式では、先祖の恩を偲び、海への感謝と村民にとって最良のことが訪れるように願います。その後、セーライ・クロ・サン寺院から儀式会場まで仏像を運び出す行列が行われます。仏像が儀式会場に運ばれると、皆が仏旗に敬礼し、仏像を運び入れて安置します。続いて、僧侶によって三宝への儀式、国家安泰と人々の平安の祈願、祈祷と説法が執り行われ、多くの仏教徒が参加します。
(現場の音)
宗教的な儀式の後には、クメール民族の伝統的なスポーツ、文化、芸能の催し物が繰り広げられます。ゲームの多くは、この地域の住民が生計を立てている主要な職業を模したもので、非常に興味深いものです。祭りでの芸能パフォーマンスも多くの住民の参加を集め、この地方に住むキン族、クメール族、中国系のホア族という3つの民族間の団結を深める役割を果たしています。
ソン・トル氏は祭りの変化についてもお話くださいました。
(テープ)
「以前、祭りはより小さな規模で開催されていました。近年、国と地方政府の関心が高まり、祭りはより大規模に開催されるようになりました。現在では、インフラが整備・改良されたため、祭りの開催条件が良くなり、各種儀式の実施もより円滑になりました」
今年、クメール族のチョロイ・ルム・チェック祭りは国の無形文化遺産として認定されました。これは大きな喜びであり、カントー市のクメール族の伝統文化の価値の保存、維持、発展に向けた絶え間ない努力が認められた証です。
現地行政府のチャン・チー・ヴァン氏は次のように述べています。
(テープ)
「私たちは、地域社会、仏教徒、一般住民、特に若い世代に対し、国家レベルの無形文化遺産に認定された海の福祭り(チョロイ・ルム・チェック)の価値について、広報・教育活動を強化しています。また、毎年の祭りの開催を維持し、祭りに関連する儀式、風習、伝統芸能の形式を復元・保存しています」
チョロイ・ルム・チェック祭りは、長い歴史を持ち、多くの世代にわたって大切に保存されてきました。現在でもカントー市の代表的で特色ある祭りの一つとして、地域の人々に愛され続けています。海とともに生きる人々の祈りと感謝の心が込められた、美しい伝統文化の祭りです。