カンボジアに隣接するこの地区の住民の大多数は少数民族クメール族出身の人々で、肉用牛や繁殖牛、牛レースの牛の売買により生計を立てています。
ターガオ牛の市場 |
ターガオ牛の市場はカンボジアからビンテ運河という川一本しか離れていません。以前、地元に住むクメール族の人々は収穫の日や祭りの日にカンボジアへ行って、水牛や牛を買いに行きました徐々に、水牛と牛の売買が国境地帯にあるティンビエン地区アンフー村のフータム集落に移されました。それ以来、ターガオという牛の市場が誕生しました。ターガオ市場で水牛や牛を売り買いするチャウ・ミン・ランさんは次のように語りました。
(テープ)
「私は若い頃から牛を飼ったり、売り買いしたりしてきました。この牛の市場では、たくさんの牛が売ったり買ったりされ、嬉しいです。牛の売買は他の仕事に比べて楽で、良い生計を立てられます」
ターガオ牛の市場では、牛の売買に加えて、草刈り、牛の放牧などの他のサービスも提供され、地元の数百人に追加収入をもたらしています。特に、豊作を祝うため開かれる牛レース祭りに参加できる牛を探すため、地元の人々はラオスやタイにさえ出かけます。供給源が需要を満たすことができないため、地元の人々は転売するために雄牛を繁殖させます。そのため、ターガオ牛の市場が徐々に拡大し、ベトナムとカンボジア全土の牛商人の「出会いの場」となりました。ターガオ市場で水牛や牛を売り買いするソック・カーさんは次のように語りました。
(テープ)
「ここはメコンデルタ西部最大の水牛と牛の市場で、毎日少なくとも 200 頭の水牛と牛が集まります。この市場は昔から開かれており、当時、市場は土の道路にありましたが、今は広々としたコンクリート道路になっています。地元の人々は牛を飼うのはお金を蓄える方法の一つと見なしていることから、多くの人々は牛を飼っています」
ターガオ牛の市場で販売されている健康な牛 |
ターガオ牛の市場の広さは約 1 ヘクタールで、中には多くの屋台、納屋、草の販売エリアが含まれます。市場ではベトナムの通貨ドンとカンボジアの通貨リエルが取引されます。ターガオ市場ではさまざまな種類の牛が売られていますが、そのほとんどはやはりカンボジアやタイ産のものです。ターガオ市場で牛を買った商人の一人であるホー・アイン・トゥアンさんは次のように語りました。
(テープ)
「牛を買うために色々な市場に行きましたが、ターガオ市場の牛はいずれも元気です。今日の朝、3頭を選びました。私と妻は牛を飼ってから、また売りますから、ここに買いに行くのは最もいいと思います」
アンザン省の人々だけでなく、隣接するビンロン省やティエンザン省の多くの商人もレンタカーを借りて、この市場に行って、牛を買います。ターガオ市場で売買される水牛と牛は病気がないことを確認されてから売買が許可されます。販売される牛は生後6か月〜2歳です。ここでの牛の価格は、1 頭あたり 800 万ドンから 3000 万ドン (約344 ~ 1300 米ドル) まであります。買い手は、農業の負担を軽減してくれる牛を探している農家もいれば、牛を購入して、転売する農家もいます。
かつて、ターガオ村は国境地帯にあるあまり知られていない村で、村の人々はトート・ノットという果物を採ったり、トート・ノットから砂糖を作ったりして暮らしていた貧しい村でしたが、現在、この村は牛を売り買いする人々で賑わい、人々の生活はより良くなりました。地方政府は、南西部地域の独特な市場を維持、発展させるだけでなく、地元の人々の生活水準の向上を目指し、ターガオ牛の市場の拡大を計画しています。