この市場には観賞用植物、花の種、ペットから電子製品に至るまで、日用品などすべてのものが売られています。年末になるとこの市場に行く人々で賑わいます。
ハン定期市(写真:laodong.vn) |
昔、ハン市場はズーハン村の市場でした。ズーハン村の村人の大部分が農業に従事していたことから、ハン市場は農具や種子になる植物、ペットなどを交換する場となっていました。その後、都市化により、ハン市場はハイフォン市レーチャン地区ズー・ハン・ケン区に組み込まれました。時は経ちましたが、この市場の役割は昔のまま維持されています。ハン市場は20世紀初頭から毎月、旧暦の5日、10日、15日に開かれてきましたが現在、このほかに日曜日も加わりました。
ハン定期市には昔から使われていた農具が現在でも置いてあります。たとえば、竹ざる、竹かごなど都会ではあまり見かけなくなったものがここにはあります。ハン定期市は昔のベトナム農村部の古い値打ち(ねうち)を保存するところと言っても過言ではありません。この定期市に通う北部ハイズオン省の住民グェン・ヒュー・カー( Nguyen Huu Kha) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ここには何もあります。私はこの市場が好きです。昔から使われてきた用具がここで売られているからです。手作りの物や簡素な物すべてがあります。私は農村に住んでいるので竹籠(たけかご)や竹の柄杓(ひしゃく)などを買いました。」
地元の人々だけでなく、ハイフォン市に足を運ぶ観光客もハン市場に行くのが好きです。この定期市に出向く買い手は、市場に行っても買い物をするかどうかはあまり重要ではありません。市場で人々と出会ったり、話をしたり、その光景にひたったりすることが目的でもあります。ハイフォン市の市民の一人ドアン・ヒュー・ザーさんは次のように語っています。
(テープ)
「これはハイフォン市の昔からの市場です。農民たちがペットから観賞用植物まで自分が生産したすべての品物を売ることができ、嬉しく思っています。毎週の日曜日にこの市場に行きます」
一方、ハノイからハン市場に行ったグェン・クアン・ティン ( Nguyen Quang Tien) さんは次のように語っています。
(テープ)
「ハン定期市には他の市場にはないものがあります。私は観葉(かんよう)植物とペット用の小鳥を買うために、この市場に来ました。これは飼育用に買ったヒヨコですよ」
ハン定期市(写真:laodong.vn) |
ハン市場には花や観賞用の魚、観賞用鳥類なども売られていますが、多くの人々の足を止めるコーナーは養豚(ようとん)用の小豚、小犬、小ねこ、ヒナ鶏(どり)です。
この地区では生後間もないヒナ鶏や生後数ヶ月の子ねこや子犬を見かけます。ハン市場には日用雑貨売り場もあります。そこには灯油ランプや針、糸など昔から使われてきた安物もあれば、携帯電話、パソコンなど近代的な電子機器もあります。
近代的な都市の中で、ハン定期市のような古いものが存在し続けるのは本当に貴重です。ハン市場は売買の場であるだけでなく、過去と現在を結びつける場となることでしょう。