ミンさん

ベトナム戦争期間中の1969年に、ミンさんは、中部クアンナム省での激戦に参加し、重傷を負いました。北部に移送され治療を受けました。後に、重症の傷病軍人となったミンさんは、故郷のランソン省に帰省し、農業機械製造部門で働く一方で、漢方による診療治療を行っていた両親から受け継いだ伝統医学に従事することにしました。

ミンさんは次のように語りました。

（テープ）                         

「生前、両親は、恵まれない人々に無料で治療をしていました。子どもの頃から、母と一緒に林へ薬草を採りに行きました。心を込めて、伝統医学による治療をおこなわなければならないと思っています」

兵士の「真心」、および医師の「道徳」を持つミンさんは、「富を築くよりも、功徳を積んだ方が良い」と誓い、困難な状態にある人、貧しい人、軍人を対象に無料で治療しています。彼にとって一番大きな喜びは、「病気が治った」という患者さんからの知らせを受けることのようです。

ミンさんに喘息を治してもらったズイさんは次のように明らかにしました。

（テープ）

「子どもの頃に重度の喘息持ちで、色々な所に行ったけれどもなかなか治りませんでした。しかし、ミンさんが治療してくれたお陰で、この病気が治るようになりました。ミンさんは心を込めて治療してくれました。さらに、彼が復員軍人であり、歳をとっても、これまで通り人を助けていることにとても感動しています」

これまでに、ミンさんは、肝硬変、腎結石などの難病に苦しんでいる多くの患者を治療しました。ミンさんはさらに次のように語りました。

（テープ）

「私は、いつもホーチミン主席の教えに沿って行動しています。それらは『傷病軍人は体が不自由であっても、社会に役立つ』、とか『医師は優しい母親のように』という言葉です。そこで、元々貧しい家庭出身の私は、恵まれない人々を出来る限り助けたいのです。高齢でも、コミュニティの健康ケアのために取り組んでいます」

ミンさんは居住地の社会活動にも積極的に参加しています。ミンさんについて、ランソン市タムタン区の党委員会副委員長であるチュウ・クエット・タンさんは次のように明らかにしました。

（テープ）

「ミンさんは、心を込めて治療する医師であり、住民から信頼、尊敬されています。枯葉剤の被害にあった元兵士であるミンさんは、様々な困難に直面していますが、それらの困難を乗り越える強い志を持つ人です」

ミンさんの子どもと孫は、先天的欠損症をもって生まれました。それらの痛みを乗り越えて、ミンさんは毎日のように、病人を治療したり、社会活動に積極的に参加しています。