ロレアル・ユネスコ女性科学賞を受賞したタン・バン博士

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(VOVWORLD) -ホーチミン市資源環境大学のホ・ティ・タン・バン准教授・博士は世界各国の候補者250人の中から、近年の優れた科学的業績が認められた15人の女性科学者の一人として、「ロレアル・ユネスコ女性科学賞」を受賞しました。
ロレアル・ユネスコ女性科学賞を受賞したタン・バン博士 - ảnh 1「ロレアル・ユネスコ女性科学賞」を受賞したバンさん(緑アオザイ着用)
(TTXVN撮影)

フランスの大手化粧品会社ロレアルグループとユネスコ国連教育科学文化機関が共同で展開している世界規模の科学賞「ロレアルーユネスコ女性科学賞」は科学分野における女性の地位向上を目的として、科学の進歩に貢献した優れた女性科学者を表彰するものです。

ベトナムの女性科学者がこの賞を受賞するのは今回が3度目です。これは、ベトナム、とりわけ女性科学者にとっての誇りです。バン博士は、効率的で費用対効果の高い燃料電池とグリーン水素エネルギーの生産に用いられる新しいナノ構造触媒の研究を行ってきました。再生可能で環境に優しいグリーンエネルギーを作り出すことを目的としています。

バン准教授・博士は、過去にベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学で無機科学の教師として勤務したことがありました。2006年に大学院修士課程を終えたのち、中国・国立台湾科技大学から奨学金を受けました。この大学の在学期間中に次世代エネルギーの研究を行ったことにより、アメリカで1件の特許証、さらに台湾で1件の特許証を取得しました。当時、国立台湾科技大学で働くよう働きかけがありましたが、バンさんは、国の開発事業に貢献したいと思い、帰国することにしました。科学研究分野で活躍するバン准教授・博士は、化石エネルギーの使用からクリーンで再生可能エネルギーへの移行の重要性を深く認識しています。そこで、彼女は主に燃料電池、環境に優しいグリーンエネルギーをテーマとする研究に集中したのです。

バン准教授・博士は次のように語っています。

(テープ)

「ベトナムと世界各国は、依然として化石燃料を使用しているため、エネルギー安全保障の問題、および気候変動の深刻な影響に直面しています。私の科学研究成果は、温室効果ガス排出量の削減、およびエネルギー安全保障の確保に繋がる方策の一つとなっています」

バンさんは2013年にベトナムに帰国して以来、現在までホーチミン市資源環境大学の講師として活躍してきました。これまでに、彼女は、国内外の雑誌約80件に科学研究の記事を掲載し、約10件の科学研究プロジェクトに参加したほか、複数の科学技術賞を受賞しました。また、2019年に科学の進歩に貢献した女性科学者に与えられるロレアル・ユネスコ女性科学賞を受賞したほか、シンガポールの科学誌『アジアン・サイエンティスト(Asian Scientist)」が発表した『アジアの科学者トップ100人」の2020年版リストにも選出されました。

彼女の研究を通じ、二酸化炭素の排出による地球温暖化の進行を抑制し、化石燃料に代わる再生可能エネルギーによる燃料電池の実用化が期待されています。バンさんは次のように語りました。

(テープ)

「この賞を受賞できてとても光栄です。これは、私だけでなく、ベトナムに与えられるものであると思います。ベトナムが世界の科学研究事業に貢献する可能性を示すものです」

ロレアル・ユネスコ女性科学賞を受賞したタン・バン博士 - ảnh 2バン大使(左)とバン准教授・博士
(TTXVN撮影)

一方、ユネスコ常駐ベトナム代表団の団長レ・ティ・ホン・バン大使は、この賞は持続可能な開発を目指すベトナムの姿勢を示していると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「ユネスコはベトナムの女性科学者が同賞を受賞した15人の一人であることを高く評価しています。これは、科学を活用したグローバルな課題の解決により、持続可能な開発を目指す世界共通の目的達成へのベトナムの貢献を示しています」

バン准教授・博士を始めとする女性科学者らが、科学研究に夢中になったことで、今日の大きな試練の解決、生活の改善、社会における女性の役割向上に貢献していることでしょう。

 

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