クアンさん( Thuận Văn/plo.vn撮影) |
復員軍人ラム・スアン・クアンさん、70歳は、ホーチミン市トゥードゥック区の自宅にある約300平方メートルの広さを「ホーチミン文化スペース」として設置しました。これは半世紀近く温めてきた構想を実現したもので、国内外からの訪問者を無料で迎え入れ、ホーチミン主席の生涯を紹介しています。
14歳で入隊し、南東部戦場で5年間戦ったクアンさんは、1972年、多くの若者と共にホーチミン・ルートを北上し、勉学に励みました。
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「1969年の春、私が南部の戦場にいた時、ホーチミン主席がラジオを通して、旧正月テトのお祝いの詩を朗読したのを聴きました。その力強く温かい声に、主席の理想と国家解放事業への信念を新たにしたのです。その信念こそが、私にホーチミン主席を敬う空間を作りたいと思わせたのです」
クアンさんによりますと、約300平方メートルの展示スペースに並んでいる写真や資料の多くが様々な情報源から集められたものでした。特に、ホーチミン・ルートの写真、1975年4月30日正午に戦車が旧大統領官邸の脇門に突入した時の写真、その他多くの歴史的な写真が、クアン氏の自宅の壁の両側に生き生きと再現されています。
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「このスペースに入ると、まず目に入るのは地球儀です。ホーチミン主席が国家解放の道を探し求めて30あまりの国を旅した足跡を示しています。ここでホーチミン主席は、知恵、知識、民族の平和と独立への強い願い、そして民族を成功に導くホーチミン主席の精神を培いました。こちらは、主席が最もよく使われた2つの遺物、タイプライターとラジオです。そしてこちらは、北部と南部の代表的な家の写真で、川、船着き場、渡し舟などが展示スペースの中央に配置され、国家が統一されてから、南部の人々がホーチミン主席を迎えた気持ちを表しているかのようです」
50年間の構想と資料収集を経て、2018年、自宅を改修したクアンさんは、1階をホーチミン主席に関する私設博物館にすることにしました。ホーチミン主席に関する資料があると聞けばどこへでも足を運び、ラジオやテレビ、新聞記事で主席について語られるのを聞けば、必ず書き留めたと明らかにしました。
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「構想に50年、実行に6か月かかりました。2018年のことでした。多くの場所で、長年にわたって資料を集めました。使えるものがあれば、購入したり、譲り受けたりしました。それらをつなぎ合わせて、この空間を作り上げたのです」
ホーチミン主席について語るたびに、クアンさんは感謝、尊敬、そして敬服の念を表明します。彼にとって、主席の言葉一つ一つが、自身の人生における思想の羅針盤となっています。古いカレンダーの切れ端を手に取りながら、主席の教えである節約を実践するため、良い言葉を書き留めていると語りました。
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「ホーチミン主席は民族解放の道を探し求め、戦うためには知識が必要だと考えました。ですから、私もホーチミン主席について学ぶためには知恵が必要であり、本を読むことが私の動機となっています」
特別な機会だけでなく、この博物館は常に無料で公開されています。クアンさんは自ら案内役を務め、展示品やホーチミン主席に関する生き生きとした新たな物語を紹介してくれます。ホーチミン市から「ホーチミン文化スペース」を訪れたホアン・アイン・ゴックさんは、次のように語りました。
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「両親と、両親の友人である復員軍人の方々と一緒に、『ホーチミン文化スペース』を訪れました。とても感動しました。クアンさんが非常に細心の注意を払い、創意を凝らして作り上げたことがよく分かります。クアンさんの深い思い入れがなければ、このような素晴らしいスペースは作れなかったでしょう。私たち若い世代は、ホーチミン主席のこと、そして今日の独立を勝ち取るまでの民族の抵抗の歴史をより深く理解することができました」
クアンさんは、国内外の人がホーチミン主席についてより真実にかつ生き生きと理解できるよう、主席のあらゆるイメージと資料を再現した4D技術を用いた「ホーチミン文化スペース」の建設を願っています。