山岳少数民族の若者に職業の扉を開く理髪店

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(VOVWORLD) - ハノイのラック・ロン・クアン通りにあるマイ・ラン・ヘア・サロンは特別な店です。ここは単なる理髪店ではありません。店主のチャン・ティ・ランさんは、ディエンビエン省やライチャウ省など山岳地帯の少数民族出身の若者を無料で預かり、理容師の職業訓練を行っています。2021年から続くこの活動は、彼らに安定した職と生計の道を開くだけでなく、意識改革も促すことを目指しています。
山岳少数民族の若者に職業の扉を開く理髪店 - ảnh 1店主のランさん(白いシャツ)

ディエンビエン省ナムポ県出身のタオ・ティ・ジさんは、その門を叩いた一人です。家は貧しく、両親には経済力がありません。ジさんは学業を中断し、早くから畑仕事を手伝わなければなりませんでした。友人たちと同じ境遇にあり、このサロンとの縁がなければ、ジさんも早婚早産の道を進むことになったでしょう。ジさんの話です。

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「結婚して子供ができた友達を見ると、子供たちも苦労すると思うと辛いです。だから自分の人生はもっと良くしたいと思いました。ここに来てから、ランさんに世話になり、仕事を与えてもらい、住居と食事も提供されています」

ジさんを含めた9人の少数民族出身の若者たちが、このサロンに集まりました。無償で理容の職業訓練を受け、宿舎と食事の一部が提供されています。彼らにとって、この理髪店は第二の我が家、ランさんは第二の母親のようです。ここで、新しい人生と明るい未来が開かれました。

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(女性の声)「中学を卒業したら私は退学しました。ハノイに来なければ、今頃は家で畑仕事をしていたでしょう」

(男性の声)「職業訓練を受けていなかったら、雇われ仕事をするか、早く結婚していたかもしれません」 

30年以上の理髪経験から、職業訓練の大切さを身にしみてわかっていたランさん。ディエンビエン省、ライチャウ省、トゥエンクアン省の成人教育センターの先生方と連携し、ムオン族、テイ族、ジャイ族、タイ族など山岳少数民族の貧しい家庭出身の若者を説得、ハノイに招きました。中学や高校卒業生が多いです。

山岳少数民族の若者に職業の扉を開く理髪店 - ảnh 2

最初の困難は言語の壁でした。生徒たちは母語しかわからず、ベトナム語があまり話せません。ランさんは丁寧に理論を教え、理解を促しました。ランさんは次のように語りました。

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「生徒たちをグループ分けして教えています。中学卒業生は実践を重視し、マスターの理髪師がマンツーマンで指導します。道具の使い方から慣れてもらい、次に理論を学びます。一方の高校卒業生は理論がスムーズに入るので、最初に理論から教えます」

技術指導と並行し、ランさんは生活スキル、コミュニケーション能力、ベトナム語、詩の朗読、歌なども教え、自信を持たせています。

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「理髪は簡単そうに見えますが、実は難しい職業です。お客様とのコミュニケーション力が欠かせず、計算力や化学、物理の知識も必要となります。さらに美的センスが重要で、美しさを判断する眼力が求められるのです」

職業訓練に加え、ランさんは人生の指針も与えています。安定した職を与えるだけでなく、賢明な考え方や幅広い知識を身につけさせたいと願っています。

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(女性の声)「都会の人々の考え方は違います。私の村では、若く結婚して子供を産むのが普通です。両親にも早く結婚するよう促されましたが、私はまだ結婚したくありません。だから両親に、まず安定した職を得てから結婚したいと話しました」

(男性の声) 「私の夢はヘアスタイリストになることです。自分のお店を持って、生活費を稼ぎたいのです」 

短期間で少額のお小遣いを与え、里帰りの際に家族を助けられるよう配慮しています。腕に覚えのある生徒には、月8万~10万ドンの収入があります。

ランさんは、今後さらに高い理容技術を身につけさせたい考えです。国際コンテストに出場させ、成功者を生み出すことで、同じ境遇の若者に夢と希望を与え、意識改革を後押ししたいと語っています。そうすれば、生徒たちは人生をより良いものにできると信じています。

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