ソンラ市の中心地から約5キロのところにあるボ村には、タイ族、ムオン族、キン族、ホムー族、コモン族の255の世帯が住んでいます。世帯の多くはホームステイのサービスを行っています。
ホームステイ「ティエンクアン」(Thanh Thuận撮影) |
ホームステイ「ティエンクアン」の主人、グエン・ティエン・クアンさんによりますと、ソンラ市は、2015年にコミュニティ・ベースド・ツーリズムの開発に関する決議20号を実現するため、クアンさんの家庭を含む4世帯を選んで、コミュニティ・ベースド・ツーリズムをスタートさせました。また、同市は、2017年に、ベトナム・ラオス文化フェスティバルを主催するにあたって、観光客を誘致するためにホームステイへの投資に注力しました。クアンさん一家のホームステイは、このタイミングでオープンしました。
クアンさんは次のように明らかにしました。
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「我が家は、市で初めてのホームステイを営むこととなり、当初は色々な困難に直面しました。しかし、この仕事は、収入のためだけでなく、子どもの将来にも役立ち、地元の農産物の販促もできます。特に、ここに宿泊する国内外の観光客は、地元民の日常生活が体験できるほか、美しい風景や伝統文化などに対する理解も深まるでしょう」
ソンラ市中心部から約3キロのチエンソム村フム集落には、広大な田畑、美しいタムリエン洞窟、ナムラ谷川があります。現在まで、タイ族の伝統文化、住居建築、風俗習慣、飲食文化などが昔のまま維持されています。この集落のホームステイに宿泊する観光客は住民とともに、農作業や、魚をつかまえたり、洞窟の探検もできます。
そのほか、ソンラ市から5キロ離れたフアラ村モン集落は、年間を通して36度~38度の天然ミネラル温泉が沸きます。現在、この集落ではおよそ60世帯が温泉入浴のサービスを、2世帯がホームステイを行っています。ソンラ市の各集落を訪問し、日常生活を体験する観光客はタイ族独自の食文化を味わうことができます。
「ティエンクアン」の料理人であるル・ティ・フックさんは次のように明らかにしました。
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「タイ族の料理は、生姜、レモングラス、ニンニク、唐辛子、特にマック・ケンと呼ばれる山椒の一種など辛味のある調味料を利用し、独特な味があります。ホームステイに宿泊する観光客には主に焼き鶏、焼き魚、ゾンという葉とみじん切りの豚肉のスープなどを食べてもらいます」
そのほか、宿泊客は、住民と一緒にタイ族、メオ族、ムオン族などの踊りを楽しむことも出来ます。何度もソンラ市を訪問したハノイの観光客は次のように語りました。
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「約10年前にソンラ省に初めて来ました。それ以来何度も訪れています。コミュニティ・ベースド・ツーリズムを始めてから、彼らの生活は著しく改善されつつありますが、伝統的文化は今でも保たれています」
ソンラ市におけるコミュニティ・ベースド・ツーリズムの活動は、現地に住む各民族の伝統文化の保存と発揚に役立っています。風俗習慣、民間遊戯、祭り、伝統手工芸品などが復活し、保存され、観光開発に貢献しています。