フオンさんはユニークなビデオクリップを通じて、ザイ族の独自の伝統文化とサパにある手つかずの観光スポットを紹介しています。

フオンさんは避暑地サパの町からおよそ9キロ離れたターバン村ターバンザイ集落に生まれ、成長しました。フォンさんはハノイの大学を卒業しましたが、ハノイに留まり、よい仕事を探すことをせずに、故郷の伝統文化を維持、保存するという夢を実現するため、帰郷することにしました。フオンさんの話です。

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「小さい時から、ザイ族の昔話を聞いていました。そのせいか、自分の民族の素晴らしい伝統文化を維持、保存するという夢を持つようになりました。伝統文化を維持しながらも、村の人々がその文化から収入を得られるようにするには何をすればよいかよく考えました」

フオンさんは多くの人々がサパに旅行に来てもここに昔からの伝統文化を保存している村落があるということが知られていないという事実を前にして、大学の卒業後に、帰郷し、自分が好きな仕事をすることにしました。

このおよそ６か月間、フオンさんはオンラインで観光ガイドを行ってきました。フオンさんは毎週日曜日にガイドを行っており、定番ののルートを回る観光ツアー、観光グループの要求により実施する観光ツアー、および個人の要求により実施する観光ツアーという３つの種類があります。

そのほか、フオンさんは月に一回、オンラインでライブストリームを行い、観衆にザイ族の伝統文化とサパの魅力的な観光スポットを紹介しています。フオンさんはザイ族の人々に“Hướng Giáy Sa Pa” というユーチューブチャンネルのコンテンツの作成、維持に参加することを呼び掛けるほか、フェイスブックで「サパの観光体験」の若者を対象とするグループを設立しました。フオンさんの話です。

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「私たちは毎週日曜日に、定番のルートを回る観光ツアーを行っています。多くの観光客はそのツアーに興味を持っています。サパに行くチャンスがあるならば、観光客がそのツアーを選んでくれることを確信しています。私たちのビデオを見ている観光客は私たちを大いに励ましてくれました」

フオンさんが作っているビデオクリップはいずれもサパに住むザイ族の伝統文化を題材にしたものです。例えば、ザイ族の人々のベトナムのお正月の伝統的料理ちまき「バインチュン」作るりとザイ族の先祖に供養するお供え物、ザイ族の伝統的衣装、ザイ族の民謡などを紹介するビデオです。フオンさんのオンライン観光ツアーを体験したハノイの観光客グエン・テー・ナムさんは次のように語りました。

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「私はガイドのフオンさんによい印象を持っています。フオンさんは故郷の風景や生活などについて熱心に紹介しています。フオンさんの案内は自然で、親近感を感じることができます」

ラオカイ省でオンライン観光ツアーを開発する先駆者の一人であるフオンさんは“Hướng Giáy Sa Pa” というユーチューブチャンネルでビデオクリップを紹介するほか、ブログ sapalocal.com でも記事を掲載し、サパの特有の文化を紹介しています。フオンさんのオンライン観光ツアーの顧問を務めるザイ族出身のブ・テイ・ホンさんは次のように語りました。

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「フオンさんは若者特有の熱心さに溢れた女性です。フオンさんと一度話したことがあれば、そのことを容易に実感できるでしょう。フオンさんは自分だけでなく、共同体のために多くの夢を抱いています。私とフオンさんはサパ特有の伝統文化を維持、保存するほか、その文化を多くの人々に紹介するため、オンラインで観光体験ツアーを実施しています。これを基礎に、サパの観光の持続的な開発に貢献したいのです」

2021年、『経営構想の試練』というコンクールで、フォンさんの「サパの人とともにオンライン観光を体験」というプロジェクトが金賞に選ばれました。フオンさんは次のように語りました。

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「私は観光会社を設立した時、観光ガイドを始め、地元の人々に収入がもたらされるよう望んでいました。また、地元の観光ガイドは故郷の伝統文化を理解し、多くの人々にその文化を広報することができます」

今後の予定について、フオンさんはザイ族の若者に自らの民族の伝統文化をさらに深く理解してもらうため努力すると明らかにしました。