2025年12月17日、オーストラリア・シドニーのセント・メアリー大聖堂で行われた、ボンダイビーチでのハヌカ関連行事で発生した銃撃事件の犠牲者を追悼する宗教間追悼式で演説するアンソニー・アルバニージー首相(写真:REUTERS/Hollie Adams) |
オーストラリアのアルバニージー首相は18日、シドニー近郊のボンダイビーチで14日、ユダヤ教の祭りを祝うイベントを狙った銃撃事件が発生したことを受け、ヘイトスピーチ(憎悪表現)への対策を強化する考えを明らかにしました。
アルバニージー首相は、パレスチナ自治区ガザを巡る軍事行動が始まって以降、オーストラリア在住の多くのユダヤ人から、反ユダヤ主義の高まりに対する対応が不十分だとの批判を受けてきました。
首相は記者会見で、ヘイトスピーチや暴力を助長する人物を訴追しやすくする法律の成立を目指すと表明しました。そのうえで、罰則の強化に加え、ビザの取り消しや発給拒否を容易にするほか、ヘイトスピーチを展開する指導者が率いる組織を取り締まる体制を整備すると述べました。
政府は、過去2年間にわたり一貫して反ユダヤ主義を非難してきたとしています。すでにヘイトスピーチを犯罪とする法案を可決しており、8月にはシドニーとメルボルンで発生した2件の反ユダヤ主義的事件について、イラン政府が関与したとして、駐オーストラリアのイラン大使に国外退去を通告しました。(ロイター)