米上院、「シーザー法」に基づく対シリア制裁終了を決議

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(VOVWORLD) - アメリカ上院は17日、大規模な国防関連法案を圧倒的多数で可決し、アメリカがシリアに対して科してきた厳しい制裁の解除に向け、一歩前進しました。
米上院、「シーザー法」に基づく対シリア制裁終了を決議 - ảnh 12025年9月19日、アメリカ・ワシントンD.C.のキャピトルヒルにある連邦議会議事堂(写真:REUTERS/Kent Nishimura)

この国防法案は、年間9010億ドルという過去最大規模の軍事費計画を定めるもので、「シーザー法」の一部として、首都ダマスカスに課されてきた財政面での制限を撤廃する措置が盛り込まれています。

これらの制裁は、内戦下で行われた人権侵害を理由に、2020年、アサド前大統領政権に対して導入されたものでした。

アサド前大統領はおよそ1年前に政権の座を追われ、発足した新政権は、シリアの国際的な孤立の解消に向けて取り組んでおり、その努力に対してトランプ大統領の支持を得ています。アメリカによる貿易や投資への制限を解除することは、13年にわたる深刻な武力衝突の影響からシリアが立ち直るための重要な一歩と受け止められています。

この法案は今後、大統領に送付され、ホワイトハウスは、大統領が署名すれば成立するとの見通しを示しています。

シリアのアサド・アル・シャイバニ外相は、法案の進展を歓迎し、ソーシャルメディアXへの投稿で、「アメリカ上院がシーザー法廃止の採決を通じてシリア国民を支援してくれたことに心から感謝する」と述べました。

そのうえで、「この一歩は、我が国と世界との協力とパートナーシップに新たな地平を開く前向きな進展だと考える」としています。

法案は77対20で可決され、共和党、民主党の双方から強い支持を受けました。先週、下院が同じ法案を可決した際には、シリア外務省が「わが国にとって極めて重要な瞬間だ」と評価していました。

シリアの新大統領アフマド・アル=シャラア氏は、アサド政権の打倒に成功した反体制派を率いた人物で、9月にワシントンを訪問し、トランプ大統領と会談しました。会談後、トランプ大統領は「シリアを成功に導くため、可能なことはすべて行う」と述べています。

トランプ大統領は5月、シリアに対するすべての制裁を解除する考えを示しており、すでに多くの制裁が解除、または停止されています。

シーザー法は、アサド政権と関係のある個人や企業、機関を対象に、外国の団体が資金提供を行うことを防ぐ内容でした。法の名称は、アサド政権の戦争犯罪を記録した数千枚の写真を国外に持ち出したシリア人軍事写真家のコードネームに由来しています。

世界銀行は、シリアの再建には2000億ドル以上の費用がかかると試算しています。

このアメリカの法案にはまた、ホワイトハウスに対し、シリア政府がダーイシュと戦い、宗教や少数民族の権利を保護しているかどうかを確認するよう求める内容も含まれています。

ロイター通信によりますと、2026会計年度を対象とする国防権限法には、ヨーロッパの防衛を支援するため、ウクライナに8億ドル、さらにラトビア、リトアニア、エストニアの防衛支援として1億7500万ドルを拠出することも盛り込まれています。(アラブニュース)

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