漢字で「安南大國畫圖」と呼ばれるこの地図はフランス人司教Jean – Louis Taberd氏が作成し、1838年にインドで出版されました。地図では、ベトナムはもちろん、周辺の中国・ラオス・カンボジアの地名がベトナム語で、注釈がベトナム語・ラテン語・フランス語で表記されました。特に、ベトナム東部海域(南シナ海)にあるホアンサ諸島は、ヨーロッパの人々が使っているパラセルという名前のほか、当時のベトナム人が使っていた「カッバン(Cat Vang)」という名前も付けられています。これは、パラセル諸島とカッバン諸島は一つであるということを示しています。
「安南大國畫圖」地図をヨーロッパ歴史博物館に寄贈することはヨーロッパの人々に、ベトナム歴史、ならびにベトナム東部海域の歴史を知ってもらうことに役立つと期待されています。