20日、ハノイのフオンドン大学で「日本・ベトナム文化交流会」が開かれました。プログラムは来賓挨拶、尺八の生演奏、ドキュメンタリー映画『福島とベトナム—医療協力がつなぐ友情』の上映、そしてフオンドン大学とふくしま・ベトナム友好協会のメンバーとの間での学生交流に関する覚書(MOU)の締結で構成されました。同協会からは、本学日本語学科の学生に対し、交流参加のための奨学金が2名分授与されました。
フオンドン大学学長代行のグエン・フウ・クオン准教授・博士(写真:フオンドン大学) |
主催者を代表して、フオンドン大学学長代行のグエン・フウ・クオン准教授・博士は、開会挨拶で、学生が日本文化に触れながら実務的な交流の機会を得られる意義を強調しました。MOUにより受入体制を整え、フオンドン大学として日越の学生交流を着実に広げていく考えです。
会場では尺八の澄んだ音色が響き、続いて映画が上映されました。作品は、福島県とベトナムの医療協力の歩みを、機器支援や人材育成の記録、関係者のメッセージを通して描いています。制作チームの後藤勝彦氏は、病院間の連携や教育の現場で生まれた成果を学生に分かりやすく伝え、今後の交流につなげたいと述べました。
尺八の生演奏(写真:フオンドン大学) |
医療現場からは、友好病院副院長のブイ・ロン博士が登壇し、長年の協力によって機器整備と人材育成が段階的に進み、診療の質向上に寄与してきたと説明しました。フオンドン大学や地域との連携を続け、研修や人材交流をさらに深めていく意向も示しました。
記念写真(写真:フオンドン大学) |
主催者は、文化に触れる体験と医療協力の歴史を同じ場で紹介することで、学生・教員・医療関係者が具体的な連携に踏み出す契機にしたいとしています。フオンドン大学は、MOUに基づく学生交流(学内各専攻、とりわけ日本語学科)を計画的に進め、教育・医療の両分野で日越協力を一層前進させる方針です。