イスラエル当局者は、ヨルダン川西岸地区を指す聖書用語を用いながら声明で、「政治上層部の理解と指示に従い、10日から、ヨルダンからユダヤ・サマリア地区とガザ地区への物資と援助の輸送がアレンビー検問所を通じて許可される」と述べました。
さらに、「ガザ地区へ向かうすべての援助トラックは、徹底的な保安検査を受けた後、護衛と警備のもとで進むことになる」と付け加えました。
イスラエルは9月、ヨルダンのトラック運転手が国境でイスラエル軍兵士と予備役将校を射殺した事件を受け、この検問所(フセイン王橋)を閉鎖していました。その後、ヨルダン渓谷の検問所は旅行者に対して再開されましたが、2年以上の武力衝突で深刻な被害を受けたガザ向けの人道援助は受け入れられない状況が続いていました。
アレンビー検問所が閉鎖されて以降、ヨルダン側は、ヨルダン川西岸地区北部のシェイク・フセイン検問所を経由し、一部の援助物資をガザに送ってきたと説明しています。
アレンビー検問所は、1967年以来イスラエルが占領しているヨルダン川西岸地区のパレスチナ人にとって、イスラエルに入ることなく利用できる唯一の国際的な出入国地点とされています。
一方、イスラエルの過激派右翼活動家グループ「Tzav 9」は、パレスチナ自治区でイスラエル人の人質が拘束されている限り、ガザへのいかなる支援も停止させようとしており、今回の発表を非難しました。同団体は声明で「ハマスがまだ立ち上がっていて、われわれの戦闘員に毎日行動しているのに、イスラエル政府は、10月7日に殺害し、首をはね、レイプした卑劣な殺人者たちに補給トラックやご馳走を送り続けている」と主張しています。
2023年10月7日の前例のない攻撃で人質となった251人のうち、イスラエルのラン・グヴィリさんの遺体を除く全員がすでに引き渡されています。
また、10月10日に発効したアメリカの仲介による停戦協定では、ハマスが生死を問わずすべての人質を返還することが条件とされています。(アラブニュース)