(写真:AFP/TTXVN) |
IMFアジア太平洋局長のクリシュナ・スリニバーサン氏はアジア地域の見通しに関するブリーフィングで、IMFのスタッフ分析によりますと、米金利はアジアの金融情勢と為替レートに「強力かつ即時の」影響を及ぼすと指摘しました。「FRBの金融緩和に対する期待はここ数カ月変動しているが、これはアジアの物価安定ニーズとは無関係の要因によるものだ」と述べました。
その上で「アジアの中銀は国内のインフレに焦点を当て、FRBの予測される動きに過度に依存して政策判断することを避けるべき」とし、「(アジアの)中銀がFRBに過度に密接に追随すれば、自国の物価安定を損なう可能性がある」としました。
また、最近の円安について「かなり大幅」とした上で、主に日米金利差を反映しているとし、「このような不安定な状況では、中銀は国内インフレなどのファンダメンタルズ(基礎的条件)に重点を置くべき」としました。
さらに中国経済の見通しはアジアにとって極めて重要とし、中国の経済減速のさらなる長期化がアジア地域の成長見通しに対する主要なリスクと言及しました。政府支出の増加が中国経済に恩恵をもたらす可能性がありますが、供給能力を高める政策は「デフレ圧力を強め、摩擦を引き起こす可能性がある」と警告しました。
アジアに対するリスクの中には、急速に導入されている貿易制限もあるとし、「アジアほど貿易統合の恩恵を受けている地域はほとんどない。したがって、地経学的分断は引き続き大きなリスクだ」としました。(ロイター)