欧州理事会のアントニオ・コスタ議長は現地時間18日夜、EU加盟27か国の大使との緊急会合後に、EUは今週、早ければ1月22日に緊急首脳会議を開催し、アメリカのドナルド・トランプ大統領による新たな関税の脅しへの対応策を協議すると明らかにしました。アメリカと欧州は、デンマーク領グリーンランドの併合をめぐって深刻な意見の相違を抱えています。
これに先立ち、トランプ大統領は17日、アメリカの方針に反対しているとして、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、オランダ、フィンランドの8か国からの輸入品に対し、2月1日から10%の関税を課すと警告しました。この関税率は6月1日には25%に引き上げられ、アメリカが「グリーンランドの完全かつ全面的な買収」に関する合意を得るまで、さらに引き上げられる可能性があるとしています。
欧州の外交筋によりますと、今回の緊急首脳会議でEU首脳が議論する最も強力な対抗策は、約930億ユーロ(約1,080億ドル)相当のアメリカ製品に対する関税措置、もしくはアメリカ企業のEU市場へのアクセス制限です。これは、今年初めにアメリカとの関税戦争に備えてEUが準備していた措置ですが、昨年夏にEUとアメリカが暫定的な貿易合意に達したことを受け、いったん凍結されていました。デンマーク国際問題研究所(DIIS)の研究者、ラスムス・スンドゴール氏は、現時点でこれがEUにとって最も有効な手段だと指摘しています。
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「経済的手段こそが、ヨーロッパにとって最良の選択肢であると考えられます。ドナルド・トランプ氏に対して、再び関税を課す必要があります。EUは、シリコンバレーの巨大IT企業など、トランプ氏の支持基盤となっている勢力を標的とすることも可能ですし、同氏を支持する有権者層に影響を与える分野を狙うこともできます。これは容易なことではありませんが、EUには、本気で対応すれば強力な対抗能力があります。この措置は欧州経済にも打撃を与える可能性がありますが、アメリカ経済にも同様の影響を及ぼすとみられます」
現在、欧州の一部の指導者は、トランプ政権に対してより強硬な姿勢を取るべきだとEUに求めています。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、アメリカ企業の市場アクセスを制限できる「反威圧措置(ACI)」を発動すべき時が来たとの認識を示しました。ACIはこれまで一度も行使されたことはありませんが、公共調達、投資、銀行取引、さらにはアメリカがEUに対して黒字を計上しているサービス貿易分野などへの制限を可能にする仕組みです。