これに先立ち、3月31日夜、およそ800ｋｍ離れた所にある東北部クアンニン省のベトナム･スウエーデン・ウオンビ病院の脳死患者から提供された臓器がフエ中央病院の移植希望者に適合するという情報を受けた直後、フエ中央病院の医師らは、緊急会合を開き、最適な臓器搬送計画を立案しました。臓器の摘出手術は、4月1日深夜から2日早朝まで、およそ120人の医師によって行われました。フエ中央病院は、北部の脳死患者から心臓、肝臓、腎臓を同時に受け取るのは今回がはじめてです。摘出臓器は飛行機で約4時間半搬送されました。その間に、フエ中央病院の医師らは、臓器移植の準備姿勢を整えていました。トアティエンフエ省フーバン県ビンタン村にすむ27歳の青年は心臓を移植されました。

フエ中央病院心臓センターのダン・テエ・ウエン医師は次のように明らかにしました。

（テープ）

「この重症心不全患者は、何度も心停止が起こり、数週間しか生存できないだろうと予測されました。運よく、この間に心臓を彼に移植することができました。移植してから3日後、自分で離床し、歩けるようになりました」

一方、先天性胆道閉鎖症により重度肝硬変と診断された3歳の患者は、今回も肝移植を受けました。患者のお母さんは次のように語っています。

(テープ)

「娘が肝移植を受けられたとはいまも信じられません。本当に驚きました！我が家にとってまるで奇跡のようですからね。とても嬉しかったです！時々、夢を見ているのではとも感じました。手術の結果は良好に推移しています。以前は、皮膚や眼球に黄色い色素が現われましたが、いまは、それらの黄疸症状は解消されつつあります。娘も喜んでいるように感じています」

フエ中央病院の医師らは、心臓移植と肝臓移植の他にも、腎臓移植を実施しました。同時に、その48時間以内に、医師チームは、他の5件の腎臓移植を行いました。現在、患者の調子は好調です。これらの成功について、フエ中央病院院長のファム・ヌ・ヒエップ博士は次のように語っています。

(テープ)

「トゥアティエン・フエ省の高度専門医療センターが建設され、病院として欠かせない領域をカバーする、高級医学センターとなりました。また、センター病院の発展に平行して、それはあたかも機関車のようにその他の専門分野すべてを牽引するかのようです。フエ中央病院は、2001年に同病院初の腎臓移植を行いました。そして、2011年にベトナム人医師による初の心臓移植を実施しました。さらに、2018年にフエ市初の肝臓移植を実現しました。これまでに、フエ中央病院は、1500件余りの臓器移植を施行しました」

フエ中央病院が臓器移植に成功したことは、ベトナムの臓器移植部門の能力を示しています。