山間部のテイザン県は、中部クアンナム省の省都タムキー市から約190km離れた所にあります。ここには、10の少数民族が住んでいますが、その中でクトゥ族はおよそ95％を占めています。テイザン県にある10ヶ所の村に住む有力者はおよそ70人います。彼らは、村の長老、村長、定年退職者、行政当局従事者などであり、自らの責任を立派に果たしています。ラン村アロット集落に住む有力者であるホイ・サックさんは次のように語っています。

(テープ)

「私は、村民から信頼されているので、村民たちに常に党の路線、国の法律の遵守を宣伝したり、経済発展に励むよう働きかけています」

ブリ・ポさん

一方、ラン村に住む長老であるブリ・ポさんは次のように語っています。

(テープ) 

「私は、村の会議を機に、村民に貧困と飢餓を『敵』として見なした上で、経済発展や、飢餓一掃・貧困解消に励みましょうと働きかけます。我が家は、2007年に薬草の一種である巴戟天の栽培に着手しました。私は、現地の巴戟天の遺伝子を保存した最初の人とされています。毎年、巴戟天の根を販売した収益は1億ドン、約62万円になります。村民たちにも巴戟天の栽培技術を教えています。これまでに、およそ7割の農家が、この植物の栽培を行い、貧困な状態から脱出するようになってきましたよ」

有力者が自らの役割を果たすことは民族大団結作りと社会秩序の確保に貢献しています。ラン村公安局のア・ティン・チョン局長は次のように語っています。

（テープ）

「長老、村長の役割はとても重要です。彼らは村民から信頼されています。そこで、村民たちが、行政当局の政策や国の法律などを遵守できるように、私たちの公安部隊は、常に長老、村長と緊密に連携しました」

一方、テイザン県党委員会のボリン・ミア委員長は次のように語っています。

（テープ）

「テイザン県は、元々綺麗な道路、電気網、学校、診療所などがなかった地方でしたが、過去20年間にわたって大きく変わりました。現在までは、全てが整備されるようになり、住民の生活も以前より楽になっています。この結果には、長老、村長、有力者の貢献がありました」

テイザン県の有力者は、地元の社会経済開発に貢献しており、村民にとって精神的な支えであると言えることでしょう。