EU離脱を巡る英国の内政混迷、深まる

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(VOVWORLD) -EU=ヨーロッパ連合からの離脱をめぐり、イギリスではEU側に離脱期限の延期を求めることを政府に義務づける法案が9日に成立しました。

イギリスのジョンソン首相は、合意の有無にかかわらず来月末の期限に離脱する立場を崩しておらず、今後の対応が焦点となります。

EU=欧州連合からの離脱期限を来月末に控え、ジョンソン首相が議会と全面対決の姿勢を取っていました。イギリス政界は混乱の極みです。その原因と責任は首相にあります。議会の一時閉会や造反与党議員の追放など「議会封じ」とも受け取れる強硬策によって、反対勢力の動きを強引に抑え込もうとしたためです。

イギリスの上下両院は、離脱期限を来年1月末まで3カ月延期するようジョンソン首相に求める法案を可決しました。法案は、経済や社会の動揺を招く「合意なき離脱」を回避するのが目的です。「合意なし」も辞さない構えを取ってきた首相は議会の意思を尊重し、方針を転換すべきです。

ところが、首相は、法案関連動議に賛成した造反与党議員を除名処分にしました。さらに、延期をEUに頼むくらいなら「野垂れ死にする方がまし」と、かたくなな態度を貫きました。首相は7月の就任後、EUと離脱協定見直しで合意する可能性が高まっている、と自信を示してきましたが問題はめどが立っていないことです。

こうした中7日、イギリスのラッド雇用・年金相が辞任し、与党・保守党からも離党しました。EUから何の取り決めもなく抜ける「合意なき離脱」を辞さないジョンソン首相の方針に抗議するためです。ジョンソン政権では、首相の実弟であるジョー・ジョンソン下院議員が5日に閣外相を辞任したばかりです。ラッド氏はツイッターでの声明で「EUとの合意を結びEUを抜けることが政府の主要な目標であると、もはや信じることができなくなった」と辞任理由を説明しました。

EU離脱は単なるイギリスの内政問題ではありません。無秩序な離脱となれば混乱は必至で、世界経済に重大な影響が及びます。欧米を中心とする国際秩序の安定も揺るがしかねません。

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