 フーロン(Phu Long)村の木製のすり鉢、すりこぎ棒、まな板（plo.vn） |
トアンアン(Thuan An)市フーロン(Phu Long)村は、木製のすり鉢、すりこぎ棒、及び、まな板を生産する村として知られています。この職業は、およそ100年間にわたって村人と繋がっています。以前、「フーロン」という商号のすり鉢、するこぎ棒は、アメリカや、フランス、日本、韓国などでも消費されたことがありました。しかし、現在、この伝統職業村は、消失の危機に瀕しています。フォンクアン工場のオーナーであるレ・ティ・ホアさんは「両親から伝わるこの職業を継承したので、様々な困難に直面しているものの、この伝統職業を保ちたい」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「この職業は、盛んに発展した時もありましたが、落ち込んだ時もありました。製品の売れ行きが好調だった時代もありましたが、悪かった時代もありました。でも、どんな時代にあっても、私たちは、生産を続けましたよ。」
統計によりますと、現在、ビンズオン省では、9種類の職業に従事する32箇所の伝統職業村が活動しています。市場経済が発展するにつれて、多くの有名な職業村は、市場のシェアを維持するとともに、消費者の嗜好に応えるように、努力しています。
ビンズオン省は、伝統的な職業村の保存と発展を目指して、様々な対策を講じています。例えば、同じ種類の製品を生産しても、バラバラに散らばっている職業村を一箇所に集めること、伝統職業村への観光ツアーを開設することなどです。
漆工芸を生産するトゥオンビンヒエップ(Tuong Binh Hiep)村は5万4千平方メートルを越える敷地に建設されていますが、2023年までに稼動を開始する予定です。ここには、生産工場、商品の展示室、漆工芸の創始者を祀る建物などが設置されます。漆工芸の熟練職人レ・バ・リンさんは、「バラバラに散らばっている伝統的職業村が一箇所に集められることを聞いて、誰もは嬉しく思った。行政当局と共に、職人たちは、若者にこの伝統職業を伝えてゆく」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ビンズオン省は、労働面で非常に競争の激しい場所です。そこで、職人である私たちは、伝統的職業村の保存と発展、特に、ビンズオン省の漆生産職業の名を広げるため、継承者の育成に気を配っています。」
この2年間、ビンズオン省は、観光と伝統職業村を結びつけて発展させています。これは、市場の拡大、伝統職業村の発展に繋がるだけでなく、それぞれの伝統職業村の文化的価値の保存と発揮に貢献する正しい方法であると見なされています。
ビンズオン省観光振興センターのグエン・ドゥック・ミンセンター長は、「ビンズオン省の観光部門は、各地方や生産工場と連携して、職業村へのツアーを実現している。こうしたツアーに参加する観光客は、商品の生産工程に参加することが出来る｣と明らかにしました。
(テープ)
「現在、現地の旅行会社は、漆工芸や、陶磁器、竹・籐細工村へのツアーを良好に実現しています。その中で、トウオンビンヒエップ(Tuong Binh Hiep)陶磁器村への体験ツアーは一番人気がありますよ。」
同時に、ビンズオン省は、職業村と環境保全を結びつけて発展することを主張しています。これに基づき、大気汚染物質の排出が少ない職業村、例えばタンウエン(Tan Uyen)町にある竹・籐細工村、トウザウモット(Thu Dau Mot)市にある木彫り村は、居住地で維持されます。一方、陶磁器生産村などの大気汚染物質の排出が多いの職業村は、居住地を離れて、設置されるべきです。
伝統職業村の保存と発展に向けたビンズオン省の努力は、地元の文化価値を保つだけでなく、経済社会発展に貢献しています。