フート省に住むムオン族の発酵食品「ティットチュア」とは

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(VOVWORLD) - ハノイから西へ100キロ離れたところにあるフート省タインソン県は少数民族ムオン族の居住地で、ムオン族の豊かな文化で知られています。その中で、ムオン族の伝統的な発酵食品「ティットチュア」はこの地の名物料理となりました。
フート省に住むムオン族の発酵食品「ティットチュア」とは - ảnh 1 「ティットチュア」

ムオン族の長老によりますと、「ティットチュア」は、豚肉を長く保存するために考案されました。特に、旧正月に、それぞれの家庭は豚を食肉用に解体処理する習慣があることから、その豚肉を発酵させて長く保存させなければならないということです。

徐々に、「ティットチュア」は、ムオン族にとって欠かせないおせち料理になっており、ムオン族の食文化を支えるものです。タインソン県ヴォミエウ村に住むムオン族の一人ディン・ヴァン・タンさんは次のように話しました。

(テープ)

「ムオン族のお正月について触れるならば、「ティットチュア」を抜きにして語ることはできないでしょう。お正月にお客さんを招いた時、必ず「ティットチュア」を用意しなければならないからです。この料理は、お客さんを大切にするという一家の主人の気持ちの表れです。」

美味しい「ティットチュア」を作るためのコツはまず、「ルン(Lung)」と呼ばれる地元の豚肉を使うことです。重さがわずか20キロ前後のこの豚は豚小屋で飼われるのではなく、村の中を自由に生きます。その自由に飼育された豚を解体した後、ミディアムレアに焼きます。その後、長さ2、3センチの薄切りにして、塩やニンニク、トウモロコシの粉から作った調味料とよく混ぜてから、乾燥した竹の中にしっかりと詰め込みます。

フート省に住むムオン族の発酵食品「ティットチュア」とは - ảnh 2 「ティットチュア」を詰め込んだ竹

「ティットチュア」のベテラン職人サ・ティ・タムさんによりますと、美味しい「ティットチュア」を作るもう一つのコツは、肉を竹の中に無理に詰め込まなければならないということです。

また、肉を詰め込む前に、グアバの葉を竹の中に入れるのもコツの一つです。そして、肉を洗う時は、45度ぐらいのお湯を使用しなければなりません。グアバの葉はカビの繁殖を抑えて発酵を進めるという効果があるからです。タムさんの話です。

(テープ)

「かつて、肉を竹の中に詰め込んだ後、台所の竈の上にかけて数か月保管しました。詰め込んでからの3日後、もう食べられますが、1週間おけばさらに美味しくなります。」

ムオン族の人々は、「ティットチュア」をグアバや梅の葉と一緒に食べます。チリソースや魚から作られた調味料「ヌクマム」につけて食べることが一般的です。

お肉の甘み、発酵した食品の酸味、グアバなどの葉の渋み、チリソースの辛さ、塩とヌクマムの鹹味、ニンニクとトウモロコシの香りなどの調和は「ティットチュア」の美味しさとなるとよく言われています。

フート省タインソン県のこうした名物を一度味わうと、なかなか忘れることができず、クセになるようです。

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